【作業療法士が解説】FIMセルフケアの採点基準と採点例|食事・整容・清拭・更衣・トイレ動作

「食事は自分で食べるけれど、容器は開けてもらっている」「ズボンは上げられるが、靴下には介助が必要」——FIMのセルフケアは、こうした場面を「自立」「一部介助」という言葉だけで判断すると採点がぶれやすくなります。

この記事では、FIMセルフケア6項目の評価範囲と採点基準を解説します。準備・見守り・身体介助の違いを具体例で整理し、採点で迷いやすい場面と記録のポイントを紹介します。

この記事を書いた人:Home Reha 福岡|作業療法士

⚠ この記事の位置づけ

本記事はFIMセルフケアの評価範囲と採点の基本を整理した解説です。正式な採点では、所属施設が採用する正規マニュアル・研修資料に従ってください。事例は記載した条件での判断例であり、他の援助や減点要因がある場合は点数が変わります。

FIMセルフケア6項目の評価範囲

FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)は、日常生活で実際に必要としている援助の程度を評価する指標です。運動13項目と認知5項目の計18項目で構成され、各項目を1~7点で採点します。

セルフケアに含まれるのは、次の6項目です。

項目主に確認する動作
食事適切に用意された食事を食具などで口へ運び、咀嚼・嚥下する
整容口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、髭剃り・化粧など、日常的に必要な整容
清拭身体を洗う、すすぐ、拭く
更衣・上半身上半身の衣服を着る・脱ぐ
更衣・下半身下半身の衣服、靴下、靴などを着脱する
トイレ動作排泄前後の下衣操作と陰部・殿部の清潔保持

更衣を上半身と下半身に分けるため、採点上は6項目になります。セルフケアの小計は6~42点です。

FIMセルフケアに共通する1~7点の採点基準

FIMでは、まず人の援助の有無を確認し、そのうえで援助の種類と介助量を判定します。本人が何割できるかだけでなく、準備、見守り、声かけ、動作中の身体介助を区別することが重要です。

点数区分採点基準
7点完全自立人の援助や自助具を必要とせず、安全に、通常の方法・時間で行える
6点修正自立人の援助は不要だが、自助具の使用、通常より長い時間、安全面の配慮のいずれかを要する
5点監視・準備見守り、声かけ、促し、準備など人の援助が必要だが、動作中の身体介助は不要
4点最小介助動作中の身体介助が必要で、本人が動作の75%以上を行う
3点中等度介助本人が50%以上75%未満を行う
2点最大介助本人が25%以上50%未満を行う
1点全介助本人が25%未満しか行わない、またはその項目の動作遂行に実際に2人の援助を要する

※割合は、本人が担う動作・労力の割合です。所要時間や介助回数だけで算出するものではありません。清拭の部位別評価など、項目ごとに定められた整理方法がある場合は、その規則に従います。「2人介助」は、その場に職員が2人いることではなく、動作の遂行そのものに2人の援助が実際に必要な場合を指します。

6点と5点の違いは「人の援助」

自助具を使っていても、本人が準備を含めて人の援助なく完了できれば6点を検討します。一方、自助具の準備や装着を介助者が行う場合や、転倒・誤嚥などを防ぐためにその場での見守りが必要な場合は、5点以下を検討します。

なお、電動歯ブラシなど一般的に使われる道具を使っているだけでは、6点の根拠になりません。6点は、自助具の使用、通常より長い時間、安全面の配慮のうち、いずれかが必要な場合に検討します。

5点と4点の違いは「動作中の身体介助」

物品を用意する、衣類を並べる、手順を声かけする、そばで見守るといった援助は、5点を検討する場面です。

一方、身体を支えてバランスを保つ、手を添えて動きを補う、動作の一部を代わりに行うなど、動作中の身体介助が必要なら4点以下の判定へ進みます。装具の装着など準備として行う援助の扱いは、項目の定義に従って判断します。

食事の評価範囲と採点例

食事では、適切に用意された食事を、食具などで口へ運び、咀嚼して飲み込むまでを評価します。調理そのものの能力は対象外です。観察するのは、食具の操作、口への運搬、咀嚼・嚥下と、そのために必要な準備や声かけです。

以下の採点例は、記載した条件以外に援助や減点要因がなく、安全に動作を完了できることを前提としています。

場面点数の目安判断理由
太柄スプーンを本人が用意して使い、準備・見守り・声かけなく食べ終える6点人の援助がなく、自助具を使用している
配膳後に介助者が容器のふたを開け、肉を切る。以降は本人が一人で食べ、見守り・声かけは不要5点準備の援助のみで、動作中の身体介助がない
準備の援助は不要だが、一口量が多くなりやすく、むせを防ぐため、食事中に毎回そばで声かけ・見守りが必要。身体介助はない5点監視・声かけの援助のみ
口へ運ぶ動作の途中で、介助者が手を添えて食具の動きを補う4点以下身体介助があるため4点以下。食具操作・口への運搬・咀嚼・嚥下のうち、本人が担う動作・労力の割合を評価して判定

4点以下の判定では、一口数、摂取量、介助回数の比率だけを本人の遂行割合としないよう注意します。食具操作から咀嚼・嚥下まで、本人が実際に担っている動作・労力を見て判断します。

食形態の調整や経管栄養がある場合

嚥下などの機能上の理由で食形態の調整を必要とする場合、人の援助なく摂取できても6点を検討します。ただし、単なる嗜好による食事の選択と、機能上必要な食形態の調整は区別します。準備・見守り・身体介助が必要な場合は、その援助も含めて判断します。正式な扱いは、採用している正規マニュアルで確認してください。

経管栄養についても、一律に全介助とはせず、本人と介助者が実際にどの管理を担っているかをマニュアルの定義に照らして確認します。

💡 OTポイント

食事項目には咀嚼・嚥下も含まれますが、FIMの点数だけで嚥下機能や誤嚥リスクの詳細を判断することはできません。食具操作や姿勢の課題と、嚥下の課題が重なっている場合もあります。嚥下は言語聴覚士、栄養状態は管理栄養士の評価と合わせて、食事場面の支援を組み立てます。

整容の評価範囲と採点例

整容は、口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、髭剃り・化粧など、複数の身だしなみ動作から構成されます。義歯を使用している場合は、その清掃など本人に必要な口腔ケアも確認します。

場面点数の目安判断理由
電動歯ブラシなど必要な物品を本人が準備し、他の整容も含めて見守り・声かけなく、通常の方法・時間で行う7点一般的な道具の使用だけでは6点の根拠にならない
肩の可動域制限があり、長柄ブラシを本人が用意して整髪する。他の整容も物品の準備を含めて人の援助なく行う6点人の援助がなく、自助具を使用している
介助者が歯ブラシに歯磨き粉をつけ、物品を並べる。以降は本人が一人で行い、声かけ・見守りは不要5点準備の援助のみで、動作中の身体介助がない
歯磨き・手洗いは本人が行うが、整髪や磨き直しを介助者が身体的に手伝う4点以下身体介助があるため4点以下。整容全体のうち本人が担う割合を評価して判定

一つの動作の自立を、整容全体の自立としない

「歯磨きは自立」という情報だけでは、整容の採点はできません。洗顔や整髪、日常的に必要な髭剃りなどで援助を受けていないかを確認します。反対に、本人の生活習慣として行っていない動作を、できない動作として加えることも避けます。

また、「洗面台へ行けるか」と「整容ができるか」は分けて考えます。洗面所までの移動能力だけで整容の点数を下げないようにしましょう。

清拭の評価範囲と採点例

FIMの「清拭」は、ベッド上でタオルを使う場面だけを指すものではありません。入浴・シャワーなどの方法も含め、身体を洗い、すすぎ、拭く動作を評価します。評価の対象は、次の10部位です。

区分部位
上肢右上肢、左上肢
体幹など胸部、腹部、会陰部、殿部
下肢右大腿、左大腿、右下腿・足部、左下腿・足部

頭部・背部は、清拭の10部位に含めません。顔面の洗浄は整容として扱います。

場面点数の目安判断理由
タオル・石けん・長柄スポンジなど必要な物品を本人が準備し、長柄スポンジを使って10部位を洗う・すすぐ・拭くまで行う。見守り・声かけは不要6点準備を含めて人の援助がなく、自助具を使用している
介助者がタオルと石けんを準備し、転倒予防のためそばで見守る。身体介助はない5点準備と見守りの援助のみ
物品の準備は本人が行う。両下腿・足部の2部位を介助者が全面的に洗う・すすぐ・拭く。他の8部位は本人がすべて行う4点1部位を10%として整理すると、本人の遂行は80%
物品の準備は本人が行う。会陰部・殿部・両下腿・足部の4部位を介助者が全面的に行う。他の6部位は本人がすべて行う3点同様に整理すると、本人の遂行は60%

※部位ごとの整理は、各部位を本人か介助者のどちらかが全面的に行う場合の考え方です。各部位の一部だけを介助する場合や、洗う・すすぐ・拭くの一部に介助が入る場合は、部位数で計算せず、本人の実際の遂行割合を評価します。

浴槽に入れないことと、身体を洗えないことは別

浴槽をまたぐ、シャワーチェアへ移るといった動作は、浴槽・シャワー移乗で評価します。「入浴は全介助」という申し送りだけでは、清拭と移乗のどちらに、どれだけ援助が必要なのか分かりません。動作を分けて観察することが大切です。

💡 OTポイント

評価対象のうち、足部や殿部などに介助が必要な場合は、手が届きにくい理由や姿勢の安定性を確認します。可動域、疼痛、座位バランスなどを整理すると、用具や姿勢の調整につなげやすくなります。入浴という作業全体を、本人が安心して続けられる形に近づけることが目標です。

更衣・上半身の評価範囲と採点例

上半身更衣では、普段着る衣服を着る・脱ぐ動作を評価します。衣服を取り出す準備、袖を通す、頭を通す、衣服を整える、ボタンやファスナーを扱うといった内容が関係します。必要な装具・義肢の着脱をどう扱うかは、マニュアルの定義に従います。

場面点数の目安判断理由
普段の肌着と前開きシャツを本人が取り出し、通常より時間をかけて一人で着脱する6点準備を含めて人の援助がなく、通常より長い時間を要する
介助者が衣類を並べ、向きを整える。以降は本人が一人で着脱し、声かけ・見守りは不要5点準備の援助のみ
衣類は本人が準備するが、着る順序が分からなくなり動作が止まるため、その都度声かけが必要。身体介助はない5点声かけの援助のみ
麻痺側の袖通しやボタン留めを、介助者が身体的に補う4点以下身体介助があるため4点以下。衣服全体の着脱のうち本人が担う割合を評価して判定

かぶりシャツと前開きシャツでは、必要な動作が異なります。シャツ1枚ではできても、普段着ている肌着を含めると介助が必要な場合もあります。「上衣は自立」ではなく、「普段着る衣服を、どこまで着脱できるか」を確認します。

更衣・下半身の評価範囲と採点例

下半身更衣では、下着、ズボン・スカート、靴下、靴など、本人が通常使用する衣類の着脱を評価します。必要な下肢装具・義肢の着脱をどう扱うかは、マニュアルの定義に従います。

場面点数の目安判断理由
衣類とソックスエイド(靴下を履くための自助具)・リーチャー(物を取る・引き寄せる自助具)を本人が準備・操作し、すべての衣類を一人で着脱する6点準備を含めて人の援助がなく、自助具を使用している
介助者が衣類を配置し、ソックスエイドに靴下をセットする。以降は本人が一人で着脱し、見守り・声かけは不要5点準備の援助のみで、動作中の身体介助がない
衣類は本人が準備するが、立位でズボンを引き上げるときにふらつくため、転倒予防の見守りが必要。身体に触れる介助はない5点見守りの援助のみ
下着とズボンは本人が着脱するが、靴下と靴は介助者が履かせる4点以下身体介助があるため4点以下。衣類の数で均等に配分せず、本人が担う割合を評価して判定

ズボンは履けても、足先に手が届かず靴下や靴に介助が必要なケースはよくあります。下半身更衣は衣類全体で評価するため、ズボンだけを見て自立としないことが大切です。立位で衣服を引き上げる際に身体を支える必要があれば、その支持も動作中の身体介助です。

💡 OTポイント

下半身更衣の介助は、単に「靴下が履けない」問題ではないことが多くあります。股関節の屈曲制限や座位バランス、立位での衣服の引き上げなど、どの工程で姿勢が崩れるかを見ると、座って行う工程の拡大や自助具の導入といった具体策につながります。外出や通院の準備を自分で整えられることは、生活の主体性にも関わります。

トイレ動作の評価範囲と採点例

トイレ動作では、次の3つを評価します。

  1. 排泄前に下衣を下げる
  2. 排泄後に陰部・殿部を清潔にする
  3. 排泄後に下衣を上げる

排泄に関わる他の動作は、次のように別の項目で評価します。

確認内容評価する項目
下衣を下げる・上げる、陰部・殿部を拭くトイレ動作
便座へ座る・便座から移るトイレ移乗
トイレまで歩く・車椅子で移動する移動
尿・便の失敗や排泄管理に関わる援助排尿・排便管理
場面点数の目安判断理由
トイレットペーパーなど必要な物品の用意も本人が行い、手すりにつかまりながら3つの動作を人の援助なく完了する6点準備を含めて人の援助がなく、支持物を使用している
3つの動作は本人が行うが、立位でのふらつきがあり、転倒予防のため見守りが必要5点見守りの援助のみ
下衣の上げ下げは本人がすべて行い、清潔保持は介助者が全面的に行う。姿勢保持の介助はない3点単純化した例。3工程のうち2工程を本人が担い、遂行は約3分の2
下衣を下げる動作のみ本人が行い、清潔保持と下衣を上げる動作は介助者が全面的に行う。姿勢保持の介助はない2点単純化した例。本人の遂行は約3分の1

※3点・2点の例は、各工程を本人か介助者のどちらかが全面的に行う場合に限った単純化した整理です。各工程の一部ずつを介助する場合や、立位保持などの姿勢保持にも介助が必要な場合へ機械的に当てはめず、身体介助があるため4点以下として、本人の実際の遂行割合を評価して判定します。

💡 OTポイント

トイレ動作は、本人の尊厳や在宅生活の継続に直結しやすい項目です。介助が「立位を保ちながらの下衣操作」に集中しているなら、手すりの位置や片手での操作手順の工夫で負担が変わる場合があります。どの工程を本人が担えるかを具体化し、排泄を自分で済ませられる場面を少しずつ増やしていきます。

FIMセルフケアの評価手順

6項目の評価では、次の順に整理すると判断がぶれにくくなります。

評価の流れ

  1. 評価対象の動作範囲を確認する
    項目ごとに、含まれる動作・部位・衣類を確認する
  2. 「しているADL」の情報を集める
    病棟・居室での実際の様子、時間帯(夜間・早朝)、疲労時の変化を確認する
  3. 人の援助の有無を判定する
    援助なしなら7点・6点、援助ありなら5点以下へ
  4. 援助の種類を区別する
    準備・見守り・声かけのみなら5点、動作中の身体介助があれば4点以下へ
  5. 本人の遂行割合で4~1点を判定する
    介助者ではなく「本人が担う動作・労力」の割合で判断する
  6. 援助内容を記録し、多職種へ共有する
    看護師・介護福祉士・理学療法士・言語聴覚士・医師などへ、「何を、誰が、どこまで手伝ったか」を伝える

採点で間違えやすいポイント

1.「できるADL」と「しているADL」を混同する

訓練室で一度できたことを、そのまま病棟での自立と扱わないようにします。実際には看護師が準備している、夜間は介助が必要、疲労すると動作が難しくなるといった情報を集めます。評価期間や、日によって介助量が変わる場合の扱いは、正規マニュアルの規則に従います。

2.本人の遂行割合と介助者の介助割合を取り違える

4点の「75%以上」は、本人が行う割合です。「介助者が75%行っているから4点」と逆に捉えないようにしましょう。また、清拭の部位別評価のように項目ごとに定められた整理方法がある場合を除き、負担が均等でない工程や衣類を同じ重みとして数えると、実際の遂行割合とずれることがあります。

3.別の項目の介助を混ぜる

浴槽をまたげないことを理由に清拭の点数を下げる、便座への移乗介助をトイレ動作に含めるといった誤りがよく見られます。清拭と浴槽・シャワー移乗、トイレ動作とトイレ移乗・移動・排尿排便管理は、それぞれ別に評価します。

4.未実施と全介助を安易に同一視する

評価期間中に実施していない動作は、観察できていない理由や代替手段を確認します。海外資料にある未実施コードや例外的な扱いを、日本の通常の1~7点評価へそのまま持ち込まないよう注意が必要です。

評価結果を作業療法につなげる

FIMの点数が分かったら、その動作に援助が必要な理由を分析します。筋力や関節可動域だけでなく、感覚障害、失行(麻痺や筋力低下だけでは説明できない、学習した動作の遂行障害)、半側空間無視(片側の空間に注意が向きにくい状態)、注意・記憶の問題、疼痛、疲労、環境も確認します。

観察した課題追加で確認したい内容支援の検討例
歯磨きの準備に毎回介助が必要片手操作、物品配置、手順理解容器や配置の変更、手順の視覚化
足部を洗う・靴下を履くことが難しい疼痛、可動域、座位バランス姿勢・用具の調整、代償方法の練習
衣服操作中に立位が崩れる支持物、重心移動、衣服の抵抗手すり配置、座位で行う工程の拡大
声かけがないと更衣が止まる注意、記憶、動作の開始・順序衣服配置の統一、短い手順提示

💡 臨床ではこう考える

同じ5点でも、準備、手順の声かけ、安全のための見守りでは支援方法が異なります。また、同じ点数の範囲内でも、介助する工程や負担が変化することがあります。点数と具体的な援助内容をセットで記録しましょう。なお、FIMは順序尺度のため、点数の差をそのまま同じ大きさの改善量とは捉えず、援助内容の変化と合わせて経過を見ます。

📝 記録例

下半身更衣:5点。日常使用する下着・ズボン・靴下・靴を対象に評価。介助者がソックスエイドへの靴下のセットと衣類の配置を行う。準備後は本人が着脱を完了し、動作中の身体介助・声かけ・見守りは不要。

このように書くと、5点の理由と、次に練習・調整したい内容(例:靴下を自助具へセットする工程)が共有しやすくなります。

よくある質問

自助具を使っていれば必ず6点ですか?

必ずではありません。本人が準備を含めて人の援助なく完了できれば6点を検討しますが、自助具の準備を介助者が行う場合や見守りが必要な場合は5点以下を検討します。一般的な道具を使っているだけでは6点の根拠になりません。

見守りや声かけだけが必要な場合は何点ですか?

動作中の身体介助がなく、見守り・声かけ・準備などの援助が必要な場合は5点を検討します。

浴槽をまたげない場合、清拭の点数は下がりますか?

浴槽をまたぐ動作は浴槽・シャワー移乗で評価するため、それだけを理由に清拭の点数は下げません。身体を洗う・すすぐ・拭く動作への援助を別に評価します。

「2人介助」で1点になるのはどのような場合ですか?

その項目の動作を行うために、実際に2人の援助が必要な場合です。職員が2人その場にいるだけでは該当しません。

訓練室でできた動作で採点してよいですか?

FIMは実際の生活で「しているADL」を評価します。訓練室で一度できた動作ではなく、病棟や居室での実際の援助内容を確認して採点します。

日や時間帯によって介助量が違う場合はどうしますか?

夜間や疲労時など、いつどのように介助量が変わるかを記録したうえで、評価期間中の変動に関する正規マニュアルの規則に従って判定します。

まとめ

採点のポイント

  • FIMセルフケアは6項目・6~42点
  • 6点と5点の違いは「人の援助」の有無
  • 5点と4点の違いは「動作中の身体介助」の有無
  • 4~1点は「本人が担う動作・労力の割合」で判断する
  • 清拭と浴槽・シャワー移乗、トイレ動作とトイレ移乗・移動・排尿排便管理は別に評価する
  • 点数と具体的な援助内容をセットで記録する

採点に迷ったときは、点数を先に決めるのではなく、「何を、誰が、どこまで手伝ったか」を具体的に書き出すところから始めてみてください。援助内容が整理できれば、採点基準と照らし合わせやすくなり、採点者間のばらつきも減らしやすくなります。

判断が難しい事例は一人で決めず、施設内の評価担当者や看護師・理学療法士・言語聴覚士などの多職種と確認しましょう。点数と援助内容をあわせて残すことで、FIMセルフケアの評価を日々のケア、作業療法の目標設定、退院後の支援につなげられます。

参考資料

※海外資料はFIMの基本構造を確認するために参照しています。海外資料の例や表現を、日本の採点基準へそのまま転用しないでください。本記事は参考情報であり、正式な評価や診断の代替ではありません。

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投稿者プロフィール

homereha
作業療法士。千葉県の回復期病院と福岡県の一般病院で、脳卒中・脊髄損傷・骨折・肩関節周囲炎などのリハビリに携わり、実施件数は約1.5万件。現在も病院勤務を続けながら、福岡で訪問型の自費リハビリ「Home Reha 福岡」を運営しています。福岡県作業療法士学会での発表、「作業療法・福岡」への論文掲載あり。

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