ブルンストロームステージ(手指)とは?脳卒中後の回復段階と評価方法をOTが解説

ブルンストロームステージ(手指)は、脳卒中後の片麻痺で手指の運動がどの回復段階にあるかを6段階で捉える評価です。この記事では、作業療法士がブルンストロームステージ(手指)の考え方から、判定基準の目安、課題別の評価方法、ステージ間の見分け方、記録例までを解説します。ステージⅢとⅣはどう見分ける?横つまみでは何を確認する?ステージⅤと判定する根拠は?といった疑問にもお答えします。
この記事を書いた人:Home Reha 福岡|作業療法士
ブルンストロームステージ(手指)とは?評価の目的と特徴
ブルンストロームステージ(手指)とは、脳卒中などで片麻痺になった方の手指が「どのような動き方で、どこまで動かせるか」を6段階で表す評価です。理学療法士のSigne Brunnstrom(シグネ・ブルンストローム)が、片麻痺の運動回復の過程を観察して整理した段階づけがもとになっています。筋力の強さではなく、動きのパターン(指がまとめて動くのか、1本ずつ動くのか)から回復段階を捉える点が特徴です。
臨床では「Brs(ブルンストロームステージの略)手指Ⅲ」のように、上肢・手指・下肢を分けて記録するのが一般的です。上肢(肩・肘)と手指では回復の進み方が異なることが多いため、手指は手指として独立して判定します。
評価の目的
- 手指の運動麻痺の回復段階を、職種間で共通の言葉で共有する
- 「握る」「開く」「つまむ」のどこでつまずいているかを明確にする
- 練習課題の難易度設定(今の段階で狙う動作)の目安にする
- 経時的に再評価し、回復の経過を追う
- 生活場面で麻痺手をどのように参加させるかを検討する材料にする
手指の段階が把握できないと何が起こるか
- 「握れる」ことだけで判断し、開く・離す動作ができないまま物品操作の練習を進めてしまう
- 本人の能力より難しい課題を続け、失敗体験や過剰な努力につながる
- 逆に、参加できる段階なのに生活で麻痺手を使う機会が設けられず、不使用が定着しやすくなる
- 職種ごとに手の状態の認識がずれ、ADL(日常生活動作)の介助方法が統一されない
- 「握る」「開く」「つまむ」を分けて評価する:どの動作でつまずいているかを特定する
- 今のステージで成功できる課題から始める:成功体験を積める難易度に調整する
- 生活の中で麻痺手の参加方法を決める:介助やポジショニングも含め、段階に応じた使い方を具体化する
手指のブルンストロームステージⅠ〜Ⅵの判定基準は?
まずは各ステージの判定基準の目安を整理します。手指では、一般的に屈曲(握る)→ 伸展(開く)→ つまみの種類 → 個別の指の動きという順で回復が進むと考えられています。
| ステージ | 判定基準の目安 | 評価時のポイント |
|---|---|---|
| Ⅰ | 弛緩性麻痺。随意運動がみられない | 指の自動運動の有無 |
| Ⅱ | 弛緩状態から脱し始め、手指の屈曲がわずかに出現する場合がある | わずかな屈曲に加え、連合反応などの出現も観察して記録 |
| Ⅲ | 集団屈曲・鉤形握りが可能。随意的伸展は困難 | 握る動作と開く動作を分けて確認 |
| Ⅳ | 横つまみが可能で、母指の動きで離すことも可能。小範囲の半随意的伸展が出現 | 横つまみ、母指の外転による離し、指の伸展範囲 |
| Ⅴ | 対向つまみ、筒握り、球握りなどの多様な把持や、随意的な集団伸展が出現 | 各把持形態を個別に確認し、随意性・伸展範囲を記録 |
| Ⅵ | 多様な把持が可能。全可動域の伸展と個別運動が出現 | 指の分離運動と運動の正確性 |
※この表は一般的な回復段階の特徴を整理したものです。臨床では、施設で採用している評価資料の判定基準を優先してください。
判定基準に出てくる握り方・つまみ方の用語は、次の対訳表で確認してください。
| 項目 | 意味 | 評価で使う物品の例 |
|---|---|---|
| 集団屈曲(mass flexion) | すべての指がまとめて曲がる動き | タオル、セラピストの指 |
| 鉤形握り(hook grasp) | 指を曲げてフックのように引っかける握り | 持ち手のある軽い物品、ハンドル |
| 横つまみ(lateral prehension) | 母指の腹と示指の橈側面(親指側の側面)で挟むつまみ | 名刺・カード、紙 |
| 対向つまみ(palmar prehension) | 母指と示指(・中指)の腹を向かい合わせてつまむ | ブロック、ペグ、消しゴム |
| 筒握り(cylindrical grasp) | 円柱状の物を手のひら全体で包む握り | コップ、筒状の棒 |
| 球握り(spherical grasp) | 指を広げて球体を包む握り | テニスボール程度のボール |
| 集団伸展(mass extension) | すべての指がまとめて伸びる動き | 手を「パー」に開く動作 |
| 個別運動(分離運動) | 指を1本ずつ独立して動かすこと | 指折り、タッピング |
ブルンストロームステージの判定基準は、原著の翻訳や教科書によって表現や判定手順が少しずつ異なります。施設内では採用している基準表を統一し、同じ基準で評価・再評価することが大切です。
評価前に確認すべきことは?姿勢・環境・道具の準備
手指の評価は、姿勢や手関節の位置によって結果が変わりやすい評価です。評価の前に、以下の条件をそろえておきます。
姿勢と肢位
- 原則として座位(背もたれのある椅子や車椅子で安定した姿勢)で行う
- 前腕はテーブル上に置いて支持し、肩や肘の努力が手指に影響しにくい状態にする
- 前腕は中間位(親指が上を向く位置)を基本とし、手関節は軽度背屈〜中間位に保つ
- 再評価のときも同じ姿勢・同じ肢位で行う
準備する物品
- タオルまたはセラピストの指(集団屈曲の確認)
- 持ち手のある軽い物品(鉤形握り)
- 名刺・カード(横つまみ)
- 小さなブロックや消しゴム(対向つまみ)
- コップまたは筒状の物品(筒握り)
- テニスボール程度のボール(球握り)
評価前に把握しておく情報
- 手指・手関節の関節可動域制限や拘縮(関節が固くなり動く範囲が狭くなった状態)の有無
- 痙縮の程度:痙縮は、他動的に筋を伸張した際の速度依存性の筋緊張亢進(速く伸ばすほど抵抗が強くなる状態)を特徴とします。MAS(Modified Ashworth Scale)などで程度を把握しておくと解釈しやすくなります。なお、MASは他動運動時の抵抗を評価する尺度であり、痙縮だけでなく関節や軟部組織の硬さなども結果に含まれる可能性がある点に注意します
- 感覚障害(触れている感覚や位置の感覚の低下)の有無
- 痛み、浮腫(むくみ)の有無
- 指示理解の程度、失行・半側空間無視などの高次脳機能障害の有無
拘縮で指が伸びない場合や、指示が理解できず動作が出ない場合は、運動麻痺の段階とは別の要因で「できない」ように見えることがあります。このような場合は判定を保留したり、要因を記録に併記したりして、ステージだけが独り歩きしないようにします。
手指のブルンストロームステージはどう評価する?課題別の確認方法
ここでは、低いステージの課題から順に確認する方法を紹介します。各課題は、まず非麻痺側でお手本を見せてから、麻痺側で行ってもらうと指示が伝わりやすくなります。
① 安静時の手の観察(ステージⅠ〜Ⅱの手がかり)
テーブル上に手を置いた状態で、手指の構え(伸びているか、軽く曲がっているか)、筋緊張、浮腫の有無を観察します。ただし、安静時の筋緊張が低いことだけでステージⅠと判定するわけではありません。ステージⅠ・Ⅱの判定は、次の②で指の自動運動(随意的な屈曲や連合反応の出現)を確認したうえで行います。
② 集団屈曲:指をまとめて曲げられるか(ステージⅡ〜Ⅲ)
- 「指をぎゅっと握ってください」と指示し、セラピストの指やタオルを握ってもらう
- わずかな屈曲のみであればⅡ、全指同時に握ることができればⅢ以上の可能性がある
- ステージⅡの段階では、非麻痺側の努力などに伴って出現する連合反応による屈曲も、回復の手がかりとして記録する
- 鉤形握りとして、持ち手のある軽い物品を指に引っかけて保持できるかも確認する
③ 伸展:自分で指を開けるか(ステージⅢ〜Ⅴの分かれ目)
- 握った状態から、手関節を中間位に保ったまま「手を開いてください」と指示する
- 随意的に開くことが困難であれば、ステージⅢの所見
- 小範囲で、開き方が不安定な伸展(半随意的伸展)が出ていれば、ステージⅣの所見のひとつ
- 指をまとめて随意的に伸ばせればステージⅤ、全可動域まで伸ばせればステージⅥの所見のひとつ
- 伸展範囲(どの指がどこまで伸びるか)も記録しておく
④ 横つまみ:カードを挟めるか、母指の運動で離せるか(ステージⅣ)
ステージⅣでは、横つまみが可能となり、母指の外転によってつまんだ物を離す動作や、小範囲の半随意的な手指伸展がみられます。
- 母指の腹と示指の橈側面で、名刺やカードなどの薄い物を挟めるかを確認する
- 挟んだあと、母指を動かして離せるかを確認する
- あわせて、手指を随意的にどの程度伸展できるか、手関節の動きによるテノデーシス作用が影響していないかを観察する
評価資料によって判定手順や表現に違いがあるため、施設で採用している基準に沿って判断します。横つまみ・母指の運動による離し・手指伸展のうち一部のみが出現している場合は、所見を分けて記録しておくと再評価時に解釈しやすくなります。
⑤ 対向つまみ・筒握り・球握り:物の形に合わせて随意的に握り、開けるか(ステージⅤ)
ステージⅤでは、対向つまみ、筒握り、球握りなどの多様な把持や、随意的な集団伸展が出現します。これらの動作を個別に確認し、採用している判定基準に沿ってステージを判断します。
- 小さなブロックを母指と示指の腹でつまむ(対向つまみ)
- コップを手のひら全体で包んで持つ(筒握り)
- ボールを指を広げて持つ(球握り)
- 本人が自分で手を開いて物品に合わせ、随意的に把持できるかを確認する。セラピストが物品を手に押し込んで保持できただけでは、十分な根拠にはならない
- 把持の前後で、随意的な集団伸展(自分で手を開く動き)が確認できるかもあわせて評価する
- 動作の拙劣さは残っていてもよい。できた把持形態・できなかった把持形態、随意性、伸展範囲をそれぞれ記録する
⑥ 個別運動と巧緻性:指を1本ずつ動かせるか(ステージⅥ)
- 母指から順に指を1本ずつ曲げる・伸ばす(指折り)
- 母指と各指の先を順番に合わせる(指対立運動)
- 多様なつまみ・握りが、ある程度の正確さで行えるかを確認する
これらの課題を個別に確認したうえで、次の章のように結果を組み合わせてステージを判定します。
評価の流れと判定の組み立て方
ステージは、単一の動作ができたかどうかだけで決めるものではありません。採用している判定基準に照らし、そのステージに必要な運動所見(把持形態・伸展・随意性)がそろっているかを総合して判断します。たとえば、伸展がわずかに出ていても横つまみが難しい場合や、その逆の場合は、ステージを上げる根拠を慎重に検討し、所見を分けて記録しておくと再評価時にも解釈しやすくなります。
- 評価時の姿勢・前腕・手関節の位置をそろえた
- 拘縮や痛みなど、運動麻痺以外の制限要因を把握した
- 「握る」だけでなく「開く(伸展)」の範囲まで確認した
- 横つまみでは、母指の運動で離せるかも確認した
- ステージⅤの判定では、各把持形態を個別に確認し、押し込んだ保持を根拠にしていない
- 手関節の動きによる見かけ上の指の動きを除外した
- ステージⅢ以降では、連合反応を随意運動と誤認していない
- 複数回試して、再現性のある動きかを確認した
迷いやすいステージの見分け方は?Ⅱ/Ⅲ・Ⅲ/Ⅳ・Ⅳ/Ⅴ・Ⅴ/Ⅵ
判定で迷いやすいのは、隣り合うステージの境目です。それぞれの「分かれ目になる所見の組み合わせ」を押さえておくと判断が安定します。
| 迷いやすい境目 | 分かれ目になる所見 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| Ⅱ と Ⅲ | 全指同時の握り(集団屈曲) | 屈曲がわずかに出現する、または連合反応などがみられる段階はⅡ。全指がまとまって随意的に曲がり、鉤形握りで物品を保持できればⅢ |
| Ⅲ と Ⅳ | 横つまみの出現+小範囲の半随意的伸展 | 伸展だけ、または横つまみだけで判断せず、両方の所見を組み合わせて確認する。どちらか一方のみ出現している場合は、所見を分けて記録する |
| Ⅳ と Ⅴ | 対向つまみ・筒握り・球握り+随意的な集団伸展 | 対向つまみ・筒握り・球握りなどの多様な把持と、自分で手を開く集団伸展の出現を個別に確認し、採用基準に沿って判断する。物品を押し込んで保持できただけではⅤの根拠にしない |
| Ⅴ と Ⅵ | 個別運動と全可動域の伸展 | 指を1本ずつ動かせるか、全可動域で伸ばせるか、把持の正確性はどうかを確認する |
境目の判定は、握る力そのものより、自分で手を開けるか、物品に合わせて随意的に把持できるかに差が出やすい印象です。屈曲が強く出る方ほど、伸展の範囲と随意性を丁寧に確認すると判定のぶれが減ります。開く動きは、物を置く・持ち替えるといった生活動作の質にも直結します。
判定ミスを防ぐ注意点は?代償動作・連合反応・テノデーシス
手指の評価では、上位ステージの随意運動ではない動きを「できた」と判定してしまうことがあります。代表的な落とし穴を確認しておきましょう。
- テノデーシス作用を随意伸展と誤る:テノデーシス作用(手首を曲げると指が自然に伸び、手首を反らすと指が曲がる腱の仕組み)による指の動きを、自分で伸ばせたと判断してしまう
- ステージⅢ以降で連合反応を随意運動と誤る:非麻痺側を強く握ったときなどに麻痺側の指が曲がる動き(連合反応)を、上位ステージの随意的な屈曲とみなしてしまう
- 単一の動作だけで上位ステージにする:横つまみだけ、または伸展だけが出た時点でステージⅣとするなど、必要な所見をそろえずに判定してしまう
- 物品を押し込んだ保持をⅤの根拠にする:セラピストが手に入れたコップやボールを保持できただけで、筒握り・球握りが可能と判断してしまう
- 拘縮による制限を麻痺と混同する:関節が固くて伸びない状態を、伸展の随意性がないと判断してしまう
ステージⅡでは、連合反応による屈曲の出現も回復の手がかりとなる重要な観察所見です。一方、ステージⅢ以降の判定では、随意的な運動と連合反応を区別し、上位ステージの運動として誤認しないようにします。連合反応がみられた場合は、出現した場面(非麻痺側の努力時、立ち上がり時など)とともに記録しておくと、介入の検討にも役立ちます。
- 手関節を中間位に保ったまま指の伸展を確認する(必要に応じてセラピストが手関節を軽く支える)
- 非麻痺側はリラックスした状態で評価する
- 同じ課題を数回繰り返し、毎回同じように出る動きかを確認する
- 疲労や時間帯で結果が変わる場合は、評価条件を記録に残す
記録の書き方と結果の活かし方
記録例
ステージだけでなく、判定の根拠となった所見と制限要因を併記すると、他職種や再評価時に状態が伝わりやすくなります。
Brs:上肢Ⅳ・手指Ⅲ・下肢Ⅳ
手指:集団屈曲可、鉤形握りで軽量物品の保持可。手関節中間位での随意的伸展は認められず、手関節掌屈時の指伸展はテノデーシス作用によるものと判断。横つまみはカード保持可だが、母指の運動による離しは困難。前腕中間位・前腕支持下の座位にて評価。示指MP関節に軽度の伸展制限あり。
ステージ別の練習課題と生活場面での参加の目安
評価結果は、練習や生活場面での麻痺手の参加方法を考える出発点になります。以下はあくまで一般的な目安で、実際は感覚・痙縮・肩の状態・本人の目標などを含めて個別に検討します。なお、評価課題として「できる」ことと、生活で安全に使えることは別に考える必要があります。
手指・手関節の他動的な関節可動域練習、手のひらへの感覚入力、テーブル上でのポジショニング。生活では、食事や書字のときに麻痺手をテーブル上に置く、セラピストや家族の介助を受けながら紙や物品の上に手を添えるなど、介助やポジショニングを利用した参加から始めます。
タオルを握る練習に加え、握ったあとに自分で手を開く(随意的な開放)ことを重視した練習、手関節を中間位に保った指の伸展練習、カードや紙を使った横つまみと母指の運動で離す練習。開放が出ているかを毎回確認し、握る動作だけを反復しないようにします。生活では、軽い物品を短時間保持する、袋の口を押さえるなど補助的な参加を検討します。握った物を随意的に離しにくい段階では、重い荷物を麻痺手で持ち続ける使い方は避け、肩への負担や落下のリスクにも注意します。
ペグやブロックを使った対向つまみの練習、コップやボールの把持と開放・持ち替えの練習、指折り・指対立運動、ボタン操作や書字などの巧緻動作練習。生活では、コップを持つ、歯ブラシを持つなど、麻痺手が主になる動作を段階的に取り入れます。
ステージの判定は、段階をつけること自体が目的ではありません。今の段階で安全に成功できる動作を見つけ、生活のどの場面で、どのような支援のもとで麻痺手を参加させるかにつなげることが大切です。補助手としての使い方や介助下での参加も、回復を支える作業活動のひとつです。
ブルンストロームステージの限界と他の評価との併用
手指のブルンストロームステージは短時間で行える評価ですが、6段階と大まかなため、同じステージ内の細かな変化は捉えにくいという限界があります。また、段階が上がっても、それがそのまま生活での手の使いやすさを示すとは限りません。
| 評価 | 分かること | 併用する目的 |
|---|---|---|
| 上田式12段階片麻痺機能テスト | ブルンストロームの回復段階の考え方を参考に、国内で標準化された独立した評価法。決められたテスト項目で12段階のグレードを判定する | 標準化された手順で回復段階を細かく記録する(Brsの判定を細分化するものではない) |
| Fugl-Meyer Assessment(上肢・手指項目) | 運動機能を点数化して詳しく評価 | 経過比較や研究で使いやすい量的指標を得る |
| SIAS(脳卒中機能障害評価法) | 運動・感覚・筋緊張など複数の機能を総合的に評価 | 手指以外の機能障害も含めて全体像を把握する |
| 簡易上肢機能検査(STEF)・ARAT | 物品操作の速さや実用的な上肢機能 | 「動く」から「使える」への変化を確認する |
| MAL(Motor Activity Log) | 生活の中で麻痺手をどれくらい・どの程度うまく使っているか | 生活場面での使用状況を把握する |
ブルンストロームステージは「回復段階の地図」、実用性の評価は「生活でどこまで使えているかの記録」と考えると整理しやすくなります。両方を組み合わせることで、練習課題と生活での目標を結びつけやすくなります。
よくある質問
- 手指は上肢と分けて判定
- 単一の動作でなく所見を総合して判定
- Ⅲ/Ⅳは横つまみ+半随意的伸展
- Ⅴは多様な把持と集団伸展を個別に確認
- 連合反応は区別して記録
- 採用基準を施設内で統一
まとめ
手指の評価は、「握れるかどうか」だけでなく「自分で開けるか」「どの形で随意的につまめるか」「指を1本ずつ動かせるか」まで丁寧に確認することで、今の段階で取り組むべき練習と、生活での麻痺手の参加方法が見えてきます。まずは評価の姿勢と物品をそろえ、施設で採用している判定基準を確認したうえで、低いステージの課題から順番に評価してみてください。
- 手指のブルンストロームステージは、手指の運動回復を6段階で捉える評価
- 集団屈曲・伸展・横つまみ・対向つまみ・個別運動を順に確認する
- 判定は単一の動作ではなく、採用基準に照らして必要な所見を総合して行う
- テノデーシス作用や、ステージⅢ以降の連合反応を上位の随意運動と誤認しない
- 評価上「できる」ことと生活で安全に使えることを分けて考え、多職種で共有する
手の動きの変化は、年齢や「もう回復しない」と決めつけず、担当の作業療法士や理学療法士などの専門職と一緒に確認していくことが大切です。ブルンストロームステージ(手指)の判定基準と評価方法を押さえ、その方に合った手の使い方を検討していきましょう。
- Brunnstrom S. Movement Therapy in Hemiplegia: A Neurophysiological Approach. Harper & Row, 1970.(邦訳:佐久間穣爾・松村秩 訳『片麻痺の運動療法』医歯薬出版, 1974)
- Sawner KA, LaVigne JM. Brunnstrom's Movement Therapy in Hemiplegia: A Neurophysiological Approach. 2nd ed. Lippincott, 1992.
- 上田敏, 福屋靖子, 鎌倉矩子:片麻痺機能テストの標準化―12段階「片麻痺回復グレード」法. 総合リハビリテーション 5: 749-766, 1977.
- Fugl-Meyer AR, et al. The post-stroke hemiplegic patient. 1. A method for evaluation of physical performance. Scand J Rehabil Med, 1975.
※本文の判定基準表は、上記原著および国内の教科書で一般的に用いられている記述をもとに、回復段階の特徴を目安として整理したものです。表現は資料によって異なるため、臨床では施設で採用している判定基準を優先してください。
※本記事は参考情報であり、診断や個別の評価・治療の代替ではありません。
この記事を書いた人:Home Reha 福岡|作業療法士






