【作業療法士が比較】シャワーチェアおすすめ6選|肘掛け・背もたれ・座面高さの選び方
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シャワーチェアは、入浴中の立ちっぱなしを減らし、洗体や立ち座りを安定させるための浴室用の椅子です。ただし肘掛けや背もたれの有無、座面の高さ、浴室の広さによって、合う一台は人それぞれ異なります。この記事では作業療法士が6商品をメーカーおよび販売ページで公開されている仕様をもとに比較し、身体の状態に合わせた選び方を解説します。シャワーチェアは肘掛け付きとスツール型のどちらがいい?座面の高さはどう決める?介護保険は使える?といった疑問にもお答えします。
目次
作業療法士が選ぶシャワーチェアおすすめ順位は?
ランキングの基準
- ① 立ち上がり・座位を支える構造(肘掛け・背もたれの有無と、その仕様が公開されているか)
- ② 座面高さの調整範囲と調整の細かさ
- ③ 浴室への置きやすさ・収納のしやすさ
- ④ 耐荷重・重量など、安全に関わる仕様が確認できるか
順位について
この順位は、臨床試験や実際の使用による性能比較ではなく、メーカーや販売ページで公開されている仕様にもとづく編集上の評価です。また「立ち上がりや座位に支えが必要な方」を想定して並べているため、肘掛けや背もたれの多い商品が上位になっています。座位が安定している方にとっては、下位のスツール型のほうが動きやすく適している場合も多くあります。
| 順位 | 商品 | タイプとひとこと |
|---|---|---|
| 1位 | 楽々健 シャワーチェア「楽浴 デラックス」 | 背もたれ+はね上げ式手すり。座面高さを2cm刻みで調整でき、寸法の公開も詳細 |
| 2位 | mugenbo シャワーチェア(背もたれ肘掛けタイプ) | 背もたれ+肘掛け。座面高さを最大54cmまで上げられる |
| 3位 | 山善 コンフォート シャワーチェア YS-1060 | 背もたれ+肘掛け。折りたたむと奥行16.5cm |
| 4位 | 山善 コンフォートシャワーチェア YS-7003SN | 背もたれのみ。幅42cmとスリム |
| 5位 | 山善 コンフォートシャワースツール YS-7001SN | スツール型。幅42×奥行40cmで最もコンパクト |
| 6位 | mugenbo シャワーチェア(座面タイプ) | スツール型。本体重量1.8kgで最も軽い |
| 商品 | タイプ | 座面高さ | 全体の幅×奥行 | 本体重量 | 耐荷重 | 折りたたみ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽々健 楽浴 デラックス | 背もたれ+手すり | 35〜45cm (2cm刻み6段階) | 49×47cm | 約3.85kg | 約100kg | あり(自立収納) |
| mugenbo 背もたれ肘掛けタイプ | 背もたれ+肘掛け | 38〜54cm (6段階) | 51×43cm | 2.9kg | 100kg (販売ページ表記・メーカー未確認) | 記載を確認できず |
| 山善 YS-1060 | 背もたれ+肘掛け | 35.5〜44.5cm (5段階) | 50.5×48〜56cm | 4.1kg | 最大100kg | あり |
| 山善 YS-7003SN | 背もたれのみ | 35.5〜50.5cm (7段階) | 42×46cm | 3kg | 最大100kg | なし |
| 山善 YS-7001SN | スツール型 | 35.5〜50.5cm (7段階) | 42×40cm | 2kg | 最大100kg | なし |
| mugenbo 座面タイプ | スツール型 | 38〜54cm (6段階) | 51×43cm | 1.8kg | 100kg (販売ページ表記・メーカー未確認) | 記載を確認できず |
※仕様の出典は記事末尾に記載しています。山善はメーカー公式サイト、楽々健はメーカー公式ストアと公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)で確認しました。mugenboはメーカー公式サイトを確認できなかったため、販売ページの表記です。特に耐荷重100kgは、販売ページに記載された耐久性試験の結果にもとづく表記で、メーカーが保証する耐荷重と同じ意味かどうかは確認できていません。仕様は変更されることがあるため、購入前に最新の表記をご確認ください。
| 商品 | 手の支持部 | 背もたれ | 狭い浴室への置きやすさ | 収納しやすさ | 持ち運びやすさ | 座面高さの調整幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽々健 楽浴 デラックス | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | △ | ○ |
| mugenbo 背もたれ肘掛けタイプ | ◎ | ◎ | △ | - | ○ | ◎ |
| 山善 YS-1060 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | △ |
| 山善 YS-7003SN | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 山善 YS-7001SN | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
| mugenbo 座面タイプ | △ | △ | △ | - | ◎ | ◎ |
| 評価項目 | ◎ | ○ | △ |
|---|---|---|---|
| 手の支持部 | 左右に肘掛け・手すりあり | 座部に立ち上がり用の取っ手あり(メーカー表記) | 支持部の記載なし |
| 背もたれ | 背もたれあり | (該当なし) | 背もたれなし |
| 狭い浴室への置きやすさ | 全体の幅45cm未満 | 幅45cm以上50cm未満 | 幅50cm以上 |
| 収納しやすさ | 折りたたみ機構あり | 折りたたみなし | -(折りたたみの記載を確認できず) |
| 持ち運びやすさ | 本体重量2kg以下 | 2kg超3kg以下 | 3kg超 |
| 座面高さの調整幅 | 15cm以上 | 10cm以上15cm未満 | 10cm未満 |
◎○△は上の基準で公開仕様を機械的に当てはめたもので(「-」は判定できる情報を確認できなかった項目)、使いやすさや安全性を保証するものではありません。「手の支持部」の◎は肘掛けがあることを示すだけで、全体重を預けてよいことを意味しません(詳しくは肘掛けの見方で解説)。
作業療法士の結論
1位は楽々健「楽浴 デラックス」です。背もたれと手すりがあり、座面高さを35〜45cmの間で2cmずつ調整できるため、身体に合わせた細かな設定がしやすい点を評価しました。手すりの内幅や長さ、耐荷重・重量まで公開されており、購入前に体格や浴室と照らし合わせやすいことも理由です。
一方で、座った姿勢が安定していて、手をつかずに立ち上がれる方であれば、4〜6位の背もたれのみ・スツール型で十分なケースも多くあります。支えが少ない分、本体重量は1.8〜3kgと比較的軽く、身体をひねって洗う動きも妨げにくくなります。ただし設置に必要な寸法は商品によって異なり、山善の2商品は幅42cmとコンパクトですが、mugenbo座面タイプは幅51cmあるため、置き場所の寸法は商品ごとに確認してください。
肘掛け付きタイプを検討したい人のセルフチェック
- 椅子から立ち上がるとき、手で座面や膝を押している
- 座って身体を洗っていると、上半身が左右に傾きやすい
- 浴室で立ったまま洗体すると、ふらつきが気になる
- 座るときに勢いよく腰が落ちてしまう
当てはまる項目がある場合は、1〜3位の背もたれ+肘掛けタイプが選択肢になります。ただし肘掛けがあれば安全というわけではないため、肘掛けの見方もあわせて確認してください。片側の手足に麻痺がある方は、よくある質問の片麻痺の項目もご覧ください。
おすすめシャワーチェア6選の特徴は?
1位:楽々健 シャワーチェア「楽浴 デラックス」
楽々健 シャワーチェア「楽浴 デラックス」(rk-05006)
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メリット
- 座面高さを2cm刻みで調整でき、膝や足首の状態に合わせて細かく設定しやすい
- 座面高さの下限が35cmで、小柄な方でも足裏を床につけやすい
- 手すりがはね上げ式で、横から座る・車椅子などから移るときに手すりをよけられる
- 完成品のため組み立てが不要で、折りたたんで自立させて収納できる
- 手すりの内幅・長さ、耐荷重、重量まで公開されている
OTポイント
作業療法士の視点では、この椅子の強みは「支えの多さ」ではなく「高さを合わせ込める細かさ」にあります。座面が2cm違うだけで、立ち上がりに必要な膝の力や足裏への体重のかけやすさは変わります。本人に合った高さに設定できることが、入浴を自分で続けられるかどうかにつながります。
デメリット・注意点
- 座面高さの上限が45cmのため、背の高い方や膝を深く曲げにくい方には低く感じる場合がある
- 手すりの内幅は39cmで、体格の大きい方は手すりの間に収まるか事前に確認が必要
- はね上げ式の手すりは、下ろした状態で確実に固定されているかを使用のたびに確認する必要がある
- 名前の似た別モデル「楽浴 ケア デラックス」(U字溝付き)があるため、購入時に商品名・型番を確認したい
こんな人におすすめ
- 立ち座りや座位の保持に支えがほしい方
- 小柄で、一般的なシャワーチェアでは足が浮きやすい方
- 使わないときは浴室の隅に立てて置きたい方
2位:mugenbo シャワーチェア(背もたれ肘掛けタイプ)
mugenbo シャワーチェア 背もたれ肘掛けタイプ
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OTポイント
動作の面から見ると、座面を高めに設定できることは立ち上がりの負担を減らす選択肢になります。座面が高いほど、膝や股関節を深く曲げた位置から力を出す必要が少なくなるためです。ただし高すぎると足裏が床から離れやすくなるため、足がしっかり床につく範囲で設定することが前提です。
メリット
- 座面高さの上限が54cmで、比較した肘掛け付きタイプの中で最も高く設定できる
- 肘掛けと背もたれがあり、立ち座りと座位の両方を支えやすい
- 同じシリーズに座面タイプ・背もたれタイプがあり、身体の状態に合わせて選び分けられる
こんな人におすすめ
- 身長が高めの方や、膝を深く曲げると立ち上がりにくい方
- 肘掛けに手をついて立ち座りしたい方
デメリット・注意点
- 肘掛けの間の内幅は公表値を確認できなかった(座面の幅は40cm)。体格の大きい方は窮屈に感じる可能性がある
- 全体の幅が51cmあり、狭い洗い場では設置スペースの確認が必要
- メーカー公式サイトを確認できず、仕様は販売ページの表記にもとづく
- 同ブランドに高さ調整の段階数が異なる別モデル(折りたたみ式など)があるため、購入時に商品名を確認したい
※楽天のページは3タイプ共通です。ページ内で「背もたれ肘掛けタイプ」を選択してください。
3位:山善 コンフォート シャワーチェア YS-1060
山善(YAMAZEN)コンフォート シャワーチェア(高さ5段階調整)YS-1060
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デメリット・注意点
- 本体重量4.1kgと、比較した6商品の中で最も重い
- 座面高さの調整幅が35.5〜44.5cmの9cmで、背の高い方には上限が低く感じる場合がある
- 使用時の幅が50.5cmあり、狭い洗い場では置けるかどうか事前に測る必要がある
メリット
- 折りたたむと奥行16.5cmまで薄くなり、浴室の隅や脱衣所に立てかけて保管しやすい
- 座面高さ・重量・耐荷重がメーカー公式サイトで公開されている
- 肘掛けと背もたれがあり、立ち座りと座位を支えやすい
こんな人におすすめ
- 家族と浴室を共用していて、使うとき以外は片付けておきたい方
- 肘掛けの支えが必要で、収納性も重視したい方
OTポイント
環境調整の考え方では、「片付けやすさ」も安全性の一部です。出しっぱなしの椅子は、家族が浴室を使うときの動線をふさぎ、つまずきの原因になることがあります。ただし折りたたみ式は、広げたときに固定部が確実にロックされているかを毎回確認することが欠かせません。
4位:山善 コンフォートシャワーチェア YS-7003SN
山善(YAMAZEN)コンフォートシャワーチェア YS-7003SN
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メリット
- 幅42cmと、比較した背もたれ付きタイプの中で最もスリム
- 座面高さを35.5〜50.5cmの7段階で調整できる
- 背もたれがあるため、洗髪や洗体の合間に背中を預けて休める
デメリット・注意点
- 肘掛けがなく、立ち上がるときに手をつける場所は座部の取っ手に限られる
- 座部の取っ手にどの程度体重をかけてよいかは、公表情報では確認できなかった
- 組み立てが必要(メーカー公式ショップ表記で約10〜20分)
OTポイント
臨床的に注目したいのは、背もたれがあると「休みながら入浴できる」点です。背もたれに寄りかかれると、座った姿勢を保つための体幹の力を一時的に抜くことができます。疲れやすい方でも、途中で休憩を挟みながら自分のペースで洗体を続けやすくなります。
こんな人におすすめ
- 手をつかずに立ち上がれるが、長く座っていると疲れやすい方
- 洗い場が狭く、肘掛け付きタイプは置きにくい方
※楽天のページはYS-7001SNと共通です。ページ内で背付き(YS-7003SN)を選択してください。
5位:山善 コンフォートシャワースツール YS-7001SN
山善(YAMAZEN)コンフォートシャワースツール YS-7001SN
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こんな人におすすめ
- 座った姿勢が安定していて、手をつかずに立ち上がれる方
- 洗い場が狭く、できるだけ場所を取らない椅子がほしい方
メリット
- 幅42×奥行40cmで、比較した6商品の中で最もコンパクト
- 座面高さを7段階で調整でき、耐荷重100kgがメーカー公表されている
- 本体重量2kgで、浴室内での移動や片付けがしやすい
OTポイント
OTとして注目したいのは、スツール型は「支えがない分、身体を動かしやすい」という点です。背もたれや肘掛けがないため、身体をひねって背中や足先を洗う動きを妨げにくくなります。座位が安定している方にとっては、自由に動ける椅子のほうが洗体しやすい場合もあります。
デメリット・注意点
- 背もたれ・肘掛けがないため、座った姿勢が不安定な方には向かない
- 立ち上がり時の支えは座部の取っ手のみで、体重をかけられる程度は公表情報で確認できなかった
- 組み立てが必要
※楽天のページはYS-7003SNと共通です。ページ内で背なし(YS-7001SN)を選択してください。
6位:mugenbo シャワーチェア(座面タイプ)
mugenbo シャワーチェア 座面タイプ

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OTポイント
使う場面を想定すると、座面の横幅が51cmと広いことは、座る位置を左右にずらしやすいという利点になります。浴槽や水栓との位置関係に合わせて座る場所を調整しやすく、洗体やかけ湯を無理のない姿勢で行いやすくなります。
デメリット・注意点
- 背もたれ・肘掛けがないため、座位や立ち上がりに支えが必要な方には向かない
- 全体の幅が51cmあり、スツール型としては大きめ
- メーカー公式サイトを確認できず、仕様は販売ページの表記にもとづく
メリット
- 本体重量1.8kgで、比較した6商品の中で最も軽い
- 座面高さの上限が54cmで、スツール型の中では高めに設定できる
- 座面の横幅が広く、座る位置を調整しやすい
こんな人におすすめ
- 座位が安定していて、軽さを重視したい方
- 身長が高めで、スツール型でも座面を高くしたい方
作業療法士はシャワーチェアのどこを見る?
シャワーチェアを選ぶときに作業療法士が確認するのは、商品の機能そのものよりも「その人の身体と浴室に合うか」です。ここでは特に大切な4つの視点を紹介します。
座面の高さ:足裏が床につき、無理なく立ち上がれるか
座面の高さは、まず「座ったときに足裏全体が床につき、膝がおおむね90°前後になる高さ」を初期設定の目安にします。そこから、股関節や膝関節の動く範囲(可動域)、痛みの有無、立ち上がる力、浴室での動線(浴槽への移動や水栓の位置)を踏まえて調整していきます。
座面が低すぎると、立ち上がるときに膝や股関節を深く曲げた位置から大きな力が必要になります。反対に高すぎると、足裏が床にしっかりつかず、座った姿勢が不安定になったり、身体が前方へずれ落ちやすくなったりする可能性があります。
注意点
「膝が90°」はあくまで初期設定の目安で、万人に当てはまる正解ではありません。膝や股関節に痛みがある方は、やや高めのほうが立ち上がりやすい場合があります。また、股関節の手術後などで関節を曲げる角度に制限がある方は、主治医やリハビリ職の指示を優先してください。実際に座って立ち上がる動作を試し、無理なくできる高さを探すことが大切です。
肘掛け:「あること」と「体重を預けられること」は別
肘掛けは、立ち上がるときに手で押して身体を持ち上げる支点になり、座っている間は身体が左右に傾いたときの支えにもなります。ただし、肘掛けがあるだけで立ち上がりが安全になるとは限りません。次の点を確認しましょう。
| 確認ポイント | 見るところ | 理由 |
|---|---|---|
| 高さ・長さ・位置 | 座面から肘掛けまでの高さ、前方にどこまで伸びているか | 肘掛けが低すぎたり短すぎたりすると、立ち上がりで押しにくく、体重を前に移しにくい |
| 左右の内幅 | 肘掛けの間に腰回りが無理なく収まるか | 狭いと座る位置が浅くなり、広すぎると両手で同時に押しにくい |
| 体重をかけられる構造か | 固定式か、はね上げ式の場合のロック、取扱説明書での使い方 | 取っ手や可動式の肘掛けは、体重を預ける用途を想定していない場合がある |
| 椅子全体の安定性 | 片側の肘掛けに体重をかけたとき、椅子が傾いたり脚が浮いたりしないか | 片側に強く体重をかけると、椅子ごと傾くことがある |
| 片手しか使えない場合 | 使える側の手で押しやすい位置に肘掛けがくるか | 体重が片側に偏りやすく、椅子の向きや壁の手すりとの組み合わせを検討する必要がある |
注意点
立ち上がりで肘掛けに全体重を預けるような動作が必要な方は、椅子だけで支えようとせず、浴室の壁に固定された手すりの併用や、介助者の付き添いも検討してください。どの程度の支えが必要かは、作業療法士などの専門職に動作を見てもらうと判断しやすくなります。
背もたれ:座った姿勢を保てるか
背もたれがあると、洗髪などで腕を上げる動作をしても上半身が後ろに倒れにくくなります。疲れやすい方や、長時間座っていると姿勢が崩れやすい方には背もたれ付きが向いています。一方、座位が安定している方にとっては、背もたれが背中を洗う動作の妨げになることもあります。
浴室の広さ:置いたあとに動けるか
見落とされやすいのが、椅子を置いたあとの動線です。椅子そのものが入っても、足を置くスペースや立ち上がる前方のスペースが確保できなければ、かえって転倒のリスクが高まります。購入前に洗い場の幅と奥行を測り、椅子の寸法に加えて足元の余裕があるか確認しましょう。
OTポイント
シャワーチェアは単に座るための道具ではありません。立ち座り・座位保持・洗体という一連の動作を、本人が自分の力でできる範囲に広げるための環境調整です。「楽に座れること」だけでなく「自分で最後まで入浴できること」を基準に選ぶと、長く使える一台が見つかりやすくなります。
シャワーチェアの選び方と使用前の安全確認は?
- 立ち座りと座位を確認する
手をつかずに立ち上がれるか、座っていて身体が傾かないかを確認します。支えが必要なら肘掛け付き、座位だけ不安なら背もたれ付きが選択肢になります。 - 座面高さの範囲を確認する
床から膝裏までの高さを測り、その高さが商品の座面高さの調整範囲に入っているかを確認します。 - 体格と耐荷重を確認する
体重が耐荷重を下回っているか、肘掛けの内幅に腰回りが収まるかを確認します。 - 浴室の寸法と床を確認する
洗い場の幅と奥行を測り、椅子の寸法に足元のスペースを加えても置けるか、床に段差や傾斜、排水口などがないかを確認します。
使用を始める前・使うたびに確認したいこと
- 使用者の体重が、商品の耐荷重を下回っているか
- 浴室の床面との相性:段差・傾斜・排水口・すのこの上に脚が乗っていないか、床が滑りやすくないか
- 脚先のゴムが4本とも付いていて、すり減り・硬化・ひび割れがないか
- 座ったときや軽く揺らしたときに、椅子にぐらつきやガタつきがないか
- 高さ調整のピンが4本の脚すべてで同じ段に確実に固定されているか
- 折りたたみ式・はね上げ式の手すりは、広げた状態・下ろした状態で確実にロックされているか
床面が不安定な場所にしか置けない場合や、ぐらつき・フレームの曲がり・部品の破損などが見られる場合は、使用を中止してメーカーや販売店に相談してください。
シャワーチェアは介護保険で購入できる?
要支援・要介護の認定を受けている方は、シャワーチェア(入浴用いす)を介護保険の「特定福祉用具販売」の「入浴補助用具」として購入できる場合があります。ただし、次のような条件や手続きがあります。
介護保険を使う場合の主な確認点
- 原則として、都道府県等の指定を受けた「指定特定福祉用具販売事業者」から購入する必要があります。一般の通販サイトで自分で購入したものは、原則として対象になりません
- 支給には上限があり、一般的には同一年度(4月〜翌年3月)で10万円までの購入費が対象で、自己負担は所得に応じて1〜3割です
- いったん全額を支払い、申請により保険給付分が払い戻される方式(償還払い)が原則ですが、自治体によっては自己負担分のみを支払う方式もあります
- 対象となる品目や必要書類、申請の流れは自治体によって異なるため、購入前にケアマネジャーや市区町村の介護保険窓口に確認してください
この記事で紹介している商品を介護保険で購入したい場合も、Amazonや楽天ではなく、ケアマネジャーを通じて指定事業者に相談する流れになります。自治体によっては独自の助成制度がある場合もあります。
シャワーチェアの寿命と交換の目安は?
シャワーチェアは毎日水にぬれ、体重がかかる道具のため、使用頻度や手入れの状態によって劣化の進み方は異なります。年数だけで判断するのではなく、次のようなサインが見られたら使用を控え、交換を検討しましょう。
交換を検討したいサイン
- 座ったときに椅子がきしむ、ぐらつく
- 脚先のゴムがすり減っている、硬くなっている、外れやすい
- 座面や背もたれにひび割れ・変色がある
- 高さ調整のピンが錆びている、動きが悪い、しっかり固定されない
- フレームに曲がりや錆がある、折りたたみ部分のロックが甘い
脚先のゴムなど一部の部品は、メーカーによっては交換部品が用意されている場合があります(山善のYS-7001SN・YS-7003SNは脚キャップや座部クッションの交換部品が公式ショップで販売されています)。気になる症状があれば、まずメーカーの案内を確認してみてください。
まとめ
シャワーチェアは、肘掛けや背もたれの有無、座面の高さ、浴室の広さによって使いやすさが大きく変わります。立ち座りや座位に支えが必要な方は肘掛け付きタイプ、座位は安定していて背中の支えがほしい方は背もたれのみのタイプ、支えが不要で場所を取りたくない方はスツール型が選択肢になります。ただし肘掛けがあることと、全体重を安全に預けられることは別なので、構造と固定方法も確認しましょう。
状況別:あなたに合うシャワーチェアは?
立ち上がるときに手の支えが必要 → 背もたれ+肘掛けタイプ
- 小柄な方、座面を細かく調整したい → 楽々健「楽浴 デラックス」
- 身長が高め、座面を高くしたい → mugenbo 背もたれ肘掛けタイプ
- 使わないときは薄くたたんで収納したい → 山善 YS-1060
手をつかずに立ち上がれるが、背中の支えがほしい → 背もたれのみタイプ
- 狭い洗い場にスリムな背もたれ付きを置きたい → 山善 YS-7003SN
座位も立ち上がりも安定している → スツール型
- とにかくコンパクトにしたい → 山善 YS-7001SN
- 軽さを重視したい、座面を高めにしたい → mugenbo 座面タイプ
身体の状態や浴室の環境によって、合うシャワーチェアは一人ひとり異なります。選び方に迷う場合や入浴動作そのものに不安がある場合は、ケアマネジャーや作業療法士などの専門職に相談してみてください。自分の身体と浴室に合ったシャワーチェアを選び、安心して入浴を続けましょう。
よくある質問
仕様の出典(2026年9月確認)
- 山善 YS-1060:YAMAZEN BOOK(山善公式)https://book.yamazen.co.jp/product/detail/I00004944
- 山善 YS-7001SN/YS-7003SN:YAMAZEN BOOK(山善公式)https://book.yamazen.co.jp/product/detail/I00007866
- 楽々健 楽浴 デラックス:楽々健公式ストア(Yahoo!ショッピング)、公益財団法人テクノエイド協会 福祉用具情報システム(TAIS)
- mugenbo 各タイプ:Amazon・楽天市場の販売ページ表記(メーカー公式サイトは確認できず)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や評価に代わるものではありません。
※使用感には個人差があります。身体の状態に不安がある場合は、必要に応じて医師やリハビリ専門職に相談してください。
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