【作業療法士監修】褥瘡(床ずれ)の予防法|原因・できやすい部位・体位変換・クッションの選び方

褥瘡・スキンケア

褥瘡(床ずれ)とは、長時間同じ姿勢でいることで皮膚やその下の組織が圧迫され、血流が悪くなって起こる傷です。

一度できると治療に時間がかかるため、「できてから治す」よりも「できる前に予防する」ことが何より重要です。

この記事では、訪問型の自費リハビリを行う作業療法士(OT)の視点から、褥瘡ができる原因、姿勢別にできやすい部位、そして自宅や施設で実践できる予防法をまとめて解説します。「床ずれは何時間でできるの?」「体位変換は何時間ごと?」「車椅子クッションは必要?」と疑問を持つ方にも分かりやすく解説します。

⚠ こんな方におすすめの記事です
  • 寝たきりや車椅子で過ごす時間が長いご家族を介護している方
  • 脳卒中や脊髄損傷などで麻痺・感覚低下がある方
  • 皮膚に赤みが出てきて心配になっている方
  • 車椅子で「仙骨座り」になりやすいと指摘されたことがある方
  • 褥瘡予防のマットレスやクッション選びで迷っている方

① 褥瘡(床ずれ)とは

褥瘡とは、長時間同じ姿勢でいることで皮膚やその下の組織が圧迫され、血流が悪くなることで起こる皮膚・組織の損傷です。初期は赤みだけですが、進行すると皮膚がただれ、筋肉や骨まで達する深い傷になることもあります。特に仙骨・かかと・坐骨など、骨が突出した部位にできやすい特徴があります。

なぜ褥瘡ができるのか

私たちの皮膚や筋肉は、毛細血管から酸素や栄養を受け取っています。

圧迫から褥瘡ができるまでの流れを示す図

圧迫が続くと血流が低下し、虚血・壊死へ進行します。特に骨が出っ張っている部分は圧力が集中しやすく、褥瘡ができやすい場所です。

褥瘡が発生しやすい人

次のような方は、褥瘡のリスクが高くなるとされています。

✓ 褥瘡のリスクが高い方チェック
  • 寝たきりの方
  • 車椅子で過ごす時間が長い方
  • 麻痺がある方(脳卒中・脊髄損傷など)
  • 高齢者
  • 痩せて骨が突出している方
  • 糖尿病や血流障害がある方
  • 栄養状態が悪い方
  • 発熱や発汗が多い方
  • 尿・便失禁がある方
🩺 OTポイント

痛みを感じにくい方(脊髄損傷・糖尿病性神経障害など)は、自分で圧迫に気づきにくいため特に注意が必要です。感覚が低下している方では痛みを感じにくく、自分で姿勢を変えるきっかけが少ないため、褥瘡が進行してから気付くこともあります。

🩺 OTポイント

特に「動けない」「感覚が低下している」「栄養状態が悪い」の3つが重なると、褥瘡のリスクは大きく高まるといわれています。3つのうちいくつ当てはまるかを目安に、日々の観察を意識してみましょう。

② 褥瘡ができる原因

褥瘡は単に「圧迫されるだけ」で起こるわけではありません。実際には、圧迫・ずれ・摩擦・湿潤・栄養不良など、複数の要因が重なることで発生しやすくなるとされています。

褥瘡ができる5つの原因(圧迫・ずれ・摩擦・湿潤・栄養不良)を示す図

① 圧迫(Pressure)

褥瘡の最も大きな原因が圧迫です。長時間同じ姿勢でいると、骨とベッド・車椅子の間で皮膚や筋肉が押しつぶされます。すると血管も圧迫され、酸素や栄養が届かなくなり、組織が傷ついてしまいます。リスクが高まるまでの時間には個人差があり、皮膚の状態や基礎疾患などによって異なるとされています。

② ずれ(Shear/せん断力)

ずれ(せん断力・Shear Force:皮膚はシーツとの摩擦で固定されたまま、内部の骨や筋肉だけがずれる力)は、褥瘡のもう一つの大きな要因です。例えば、ベッドの背上げをしたときに身体がずり落ちる場面が典型例です。皮膚はシーツに引っ掛かっている一方で、骨だけが下へ滑るため、内部の血管が引き伸ばされてしまいます。これは外から見えにくいため、注意が必要な力です。

③ 摩擦(Friction)

摩擦とは、皮膚がシーツや衣類と擦れることです。ベッド上で身体を引きずる、介助時に身体を持ち上げずに移動する、車椅子へ移乗するときなどに起こりやすくなります。摩擦だけでは深い褥瘡は起こりにくいですが、皮膚を傷つけることで褥瘡のきっかけになります。

④ 湿潤(蒸れ)

皮膚が汗や尿・便で湿った状態が続くと、皮膚はふやけて弱くなります。この状態では、少しの摩擦でも傷ができやすくなるといわれています。特に失禁がある方では、スキンケアが非常に重要です。なお、尿や便による失禁関連皮膚炎(IAD)は褥瘡と間違われることもあるため、皮膚の変化に気づいたら専門職に確認すると安心です。

⑤ 栄養不良

皮膚や筋肉は、タンパク質やエネルギーを材料に作られています。低栄養になると、皮膚が弱くなる・筋肉量が減る・骨が突出する・傷が治りにくいといった状態につながりやすく、褥瘡のリスクが高くなります。特に、最近体重が減った方や食事量が落ちている方は注意が必要とされています。

③ 褥瘡ができやすい部位(姿勢別)

褥瘡は、骨が突出していて体重が集中する部位に発生しやすい特徴があります。姿勢によって圧迫される場所が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

仰向け・横向き・座位・車椅子で褥瘡ができやすい部位を示す図

仰向け(背臥位)

仰向けでは、身体の後面に圧力が集中しやすくなります。

できやすい部位理由
後頭部頭部の重みが集中しやすいため
肩甲骨骨が突出しているため
腕の重みが集中しやすいため
脊椎骨が突出しているため
仙骨仰向けで体重が集中しやすいため
かかと骨の突出が大きく皮下脂肪が少ないため
⚠ 特に注意したい部位

特に仙骨とかかとは最も褥瘡ができやすい部位です。

横向き(側臥位)

横向きでは身体の側面に圧力が集中しやすくなります。

できやすい部位理由
骨が皮膚のすぐ近くにあるため
骨が突出しているため
肋骨骨の突出部が皮膚に近いため
大転子骨盤の外側で骨が突出しているため
膝の内側左右の骨同士が接触しやすいため
外くるぶし骨が皮膚のすぐ下にあるため
🩺 OTポイント

真横(90°側臥位)より30°側臥位の方が圧力を分散しやすくなります。

座位

椅子に座っているときは、お尻に体重が集中しやすくなります。デスクワークやテレビ視聴、食事などで長時間座り続けると、坐骨に圧力が集中します。1時間に1回程度は立ち上がる、または体重移動を行うよう心がけましょう。

できやすい部位理由
坐骨座位で体重が最も集中する部位のため
尾骨骨が突出しているため
太ももの裏座面との接触面積が広く圧力がかかりやすいため
椅子に座る
坐骨(左右)に体重が集中する
圧力が一点に集中したままになる
褥瘡リスクが高まる

長時間座る場合は、定期的な体重移動や立ち上がりが重要です。

車椅子

車椅子では、姿勢が崩れることで圧迫だけでなく「ずれ」も加わりやすくなります。

できやすい部位理由
坐骨座面へ体重が集中しやすいため
仙骨(仙骨座りの場合)骨盤が後傾すると荷重が仙骨側へ移りやすいため
大腿後面座面との接触が長時間続くため
🩺 OTポイント

骨盤が後傾して仙骨座り(Sacral Sitting:お尻が前へ滑り骨盤が寝た座り方)になると、坐骨ではなく仙骨へ荷重が集中し、褥瘡リスクが高まるといわれています。そのため、適切なシーティングと車椅子クッションの使用が重要です。

車椅子利用者では、30〜60分ごとに前傾してお尻を浮かせるだけでも除圧になります。難しい場合は、左右への体重移動でも代用できます。ティルト・リクライニング機能付き車椅子では、背もたれを倒すことで坐骨や仙骨への圧力を分散できる場合があります。

④ 褥瘡を予防する方法

褥瘡は一度できると治療に時間がかかるため、「圧迫を減らす」「皮膚を守る」「身体の状態を整える」ことが予防の基本です。ここでは、ご自宅や病院・施設で実践できる予防方法を紹介します。

褥瘡予防のポイント(体位変換・除圧・ポジショニング・スキンケア・栄養・離床)を示す図

① 体位変換

体位変換は、褥瘡予防の基本です。同じ場所に圧力がかかり続けないよう、定期的に姿勢を変えることで血流を保ちます。2時間を目安とされることが多いですが、体圧分散マットレスや皮膚の状態によって適切な間隔は異なります。

✓ ポイント
  • 仰向けだけを続けない
  • 左右30°側臥位を活用する
  • 摩擦やずれを起こさないよう身体を持ち上げて介助する

② 除圧(圧力を逃がす)

褥瘡は圧迫が続くことで発生しやすくなります。そのため、定期的に圧力を逃がす(除圧する)ことが重要です。寝たきりの方だけでなく、車椅子利用者でも必要とされています。

場面方法
ベッド上体位変換/クッションの使用/エアマットレス
車椅子前傾姿勢/左右への体重移動/プッシュアップ(可能な方)

目安として、15〜60分ごとに15秒以上の除圧が推奨される場面もあります。

③ ポジショニング

ポジショニングとは、クッションなどを使用して身体に無理のない姿勢を作ることです。適切なポジショニングを行うことで、圧力分散・ずれ予防・疼痛軽減・呼吸のしやすさにつながるとされています。

✓ ポイント
  • 骨突出部同士を当てない
  • 膝・足首の間にクッションを入れる
  • 30°側臥位を意識する
  • シーツのしわを伸ばす

膝の間や足関節の下にクッションを挟むことで、骨同士の接触や圧迫を防ぎやすくなります。

④ クッションを活用する

クッションは体圧を広い面積へ分散させる役割があります。ただし「柔らかければ良い」というわけではなく、姿勢が崩れるほど柔らかいクッションはかえって逆効果になることもあるとされています。目的に応じて選びましょう。

⚠ 円座(ドーナツ型クッション)に注意

ドーナツ型クッション(円座)は周囲に圧力が集中するため、褥瘡予防目的では一般的に推奨されません。体圧を広く分散できるクッションを選びましょう。

⑤ マットレスを見直す

体圧分散マットレスは、褥瘡予防に有効とされています。特に寝返りできない方、痩せている方、骨突出が強い方では導入を検討しましょう。自力で体位変換が困難な方には、圧切替型エアマットレスが推奨される場合があります。

⑥ スキンケア

皮膚が乾燥していたり、汗や尿で湿っている状態では、皮膚は傷つきやすくなります。

✓ スキンケアのポイント
  • 優しく洗う
  • よく乾かす
  • 保湿する
  • 失禁後は早めに交換する
  • バリアクリームを使用する

高齢者では、保湿と皮膚保護が褥瘡予防において重要とされています。

⑦ 栄養

皮膚や筋肉は栄養から作られます。低栄養では、傷が治りにくい・筋肉量が低下する・骨が突出しやすくなるといった状態につながります。

✓ 特に重要な栄養素
  • タンパク質
  • エネルギー
  • ビタミンC
  • 亜鉛

食事量が少ない場合は、栄養補助食品の活用も検討されます。

⑧ 離床

OTとして最もお伝えしたいのが、「離床そのものが褥瘡予防になる」ということです。ベッド上だけでは同じ部位に圧力がかかり続けます。一方、離床すると圧迫される部位が変わり、血流の改善にもつながります。もちろん長時間座りっぱなしもよくありません。「ベッド⇔車椅子⇔歩行」と姿勢を変えることが重要です。

🩺 OTの視点

褥瘡予防は「クッションを買うこと」だけでは十分ではありません。体位変換・除圧・ポジショニング・離床を組み合わせて初めて効果が高まります。特に「活動量を増やして自分で姿勢を変えられる能力」を維持・向上させることは、作業療法士が大きく貢献できるポイントだと考えています。

⑤ 車椅子利用者の褥瘡予防

車椅子利用者では、坐骨や仙骨に圧力が長時間集中することが褥瘡の大きな原因とされています。さらに、姿勢が崩れると「ずれ」も加わるため、ベッド上以上に注意が必要です。

車椅子シーティングについて詳しく知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。

車椅子シーティングと仙骨座り(骨盤後傾)を示す図

シーティング

シーティングとは、その人の身体に合わせて車椅子やクッションを調整し、安全で楽に座れる姿勢を作ることです。適切なシーティングは、褥瘡予防だけでなく、食事や移動など日常生活のしやすさにもつながります。適切なシーティングでは、坐骨で体重を支える・骨盤が立つ・左右均等に荷重する・足底が接地することが基本になります。

座面クッション

車椅子では体圧分散クッションの使用が推奨されています。クッションにはウレタン・ゲル・エア・ハイブリッドなどの種類があり、体重・姿勢保持能力(姿勢を保つ力)・活動量に応じて選ぶことが大切です。

骨盤後傾と仙骨座り

骨盤が後傾すると、坐骨ではなく仙骨へ体重が移りやすくなります。すると圧迫とずれが同時に発生しやすい状態になります。仙骨座り(Sacral Sitting)とは、お尻が前へ滑り骨盤が寝た姿勢が崩れた状態のことで、この姿勢では仙骨に圧力が集中し、背もたれとの摩擦も加わります。OT・PTが最も修正したいと考える座り方の一つです。

フットサポート調整

見落とされやすいですが、フットサポートの高さ調整も重要です。

状態起こりやすいこと
フットサポートが高すぎる坐骨への荷重が増加しやすい
フットサポートが低すぎる骨盤が後傾しやすい

適切な高さでは、足底全体が接地し、骨盤が安定した支持基底面(身体を支える面)を作りやすくなります。

ティルト・リクライニング機能付き車椅子では、姿勢を変えることで坐骨や仙骨への圧力を分散しやすくなる場合があります。

⚠ 用品選びで見落としがちな点

体圧分散クッションは褥瘡予防だけの道具ではなく、姿勢の土台を安定させ、坐位そのものを保ちやすくする役割も担っています。用品だけを交換して解決しようとせず、原因は人によって異なるため、専門職に相談しながら調整することをおすすめします。

⑥ 褥瘡予防に役立つ用品おすすめ5選

褥瘡予防では、体圧分散や皮膚保護に役立つ用品を目的に応じて選ぶことが大切です。ここでは、車椅子クッション・エアマットレス・皮膚保護用品まで、カテゴリーの異なる代表的な5製品を紹介します。体重・姿勢保持能力・活動量によって適したタイプは異なるため、迷う場合は専門職に相談しながら選ぶと安心です。

順位商品特徴
🥇1位ロホ「クァドトロセレクト」エアセル構造で体圧分散性が高く、褥瘡リスクが高い方向け
🥈2位加地「アウルREHA 3Dジャスト」ウレタン・ジェル系の汎用車椅子クッション、コスパ重視
🥉3位MOGU「モグケア」パウダービーズの軽量クッション、車椅子・椅子・枕代わりに使える手軽さ
4位ケープの体圧分散マットレス床ずれ防止用具専門メーカーによる圧切替型エアマットレス
5位アルケア「エスアイエイド」「リモイスパッド」褥瘡予防・皮膚保護用のシリコーンゲルドレッシング・スキンケアパッド
🥇1位 ロホ「クァドトロセレクト」(エアクッション)

エアセル構造のクッションで、セルの高さを部位ごとに調整でき、骨突出が強い方でも圧力を細かく分散しやすいのが特徴です。

おすすめポイント:体幹保持が難しい方や褥瘡リスクが高い方に選ばれることが多いタイプです。

向いている人:骨突出が目立つ方、既に褥瘡の既往がある方

⚠ 注意点

定期的な空気圧の調整や、傷・空気漏れのチェックが必要です。自己管理が難しい場合は、家族や訪問看護師と一緒に確認する体制を整えましょう。

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🥈2位 加地「アウルREHA 3Dジャスト」(車椅子クッション)

ウレタンやジェルを使った汎用タイプの車椅子クッションです。姿勢保持と体圧分散をバランスよく両立しています。

おすすめポイント:比較的手ごろな価格で、初めて体圧分散クッションを導入する方にも扱いやすいタイプです。

向いている人:車椅子での活動量がある方、初めて体圧分散クッションを導入する方

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🥉3位 MOGU「モグケア」(パウダービーズクッション)

パウダービーズを使った軽量なクッションで、車椅子だけでなく椅子や枕代わりにも使える手軽さが特徴です。

おすすめポイント:軽くて持ち運びやすく、外出先や来客時にも使いやすいタイプです。

向いている人:比較的活動量があり、日常のさまざまな場面で使い回したい方

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4位 ケープの体圧分散マットレス(エアマットレス)

床ずれ防止用具の専門メーカーであるケープが手がける、圧切替型のエアマットレスです。

おすすめポイント:自力で寝返りが難しい方でも、圧力が一か所に集中し続けるのを防ぎやすくなります。

向いている人:寝たきりで過ごす時間が長い方、痩せて骨突出が強い方

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5位 アルケア「エスアイエイド」「リモイスパッド」(皮膚保護用品)

骨突出部に貼るシリコーンゲルドレッシングや、すべりを良くして摩擦・ずれを軽減するスキンケアパッドです。医療現場でも使われています。

おすすめポイント:クッションやマットレスだけでは防ぎきれない摩擦・ずれへの対策として併用しやすいタイプです。

向いている人:皮膚が脆弱な方、移乗や体位変換時の摩擦が気になる方

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⚠ 用品選びの注意

価格や口コミはAmazon上で変動するため、上記リンクから最新の商品と価格をご確認ください。用品はあくまで予防を助ける手段であり、体位変換や離床など生活全体の工夫と組み合わせることが重要です。

⑦ 褥瘡の評価に使われる代表的なスケール

医療・介護の現場では、褥瘡のリスクや状態を客観的に把握するために、いくつかの評価スケールが使われています。

スケール名わかること
ブレーデンスケール知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれの6項目から褥瘡発生リスクを評価
DESIGN-R®深さ・滲出液・大きさ・炎症/感染・肉芽組織・壊死組織・ポケットの項目から褥瘡の重症度を評価
OHスケール自力体位変換能力・病的骨突出・浮腫・関節拘縮からリスクを評価(主に日本国内で使用)

これらのスケールは医療・看護職が使用するものですが、ご家族が「どのような視点でリスクを見ているか」を知る手がかりにもなります。一般の方が点数をつける必要はありません。

参考

日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン」、NPUAP/EPUAP/PPPIA国際褥瘡診療ガイドライン等を参考に、一般的な情報として構成しています。個別の症状や治療方針については、必ず主治医・訪問看護師など医療専門職にご相談ください。

褥瘡予防は、クッションやマットレスといった用品の見直しだけでなく、日々の活動量や姿勢を自分で変えられる力を保つことも同じくらい重要です。原因は人によって異なるため、自己判断で用品だけを交換するのではなく、専門職に相談しながら進めることをおすすめします。

私たち「Home Reha 福岡(訪問型の自費リハビリ)」では、作業療法士がご自宅に伺い、姿勢・動作の評価をもとに褥瘡予防を含めた生活動作の改善をサポートしています。福岡市近郊で褥瘡予防や車椅子シーティングでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

✓ 振り返りポイント
  • 2時間を目安に体位変換
  • 骨突出部を守るポジショニング
  • 体に合ったクッション・マットレス選び
  • スキンケアと栄養管理
  • 離床・活動量の維持

⑧ よくある質問(FAQ)

何時間ごとに体位変換すればいいですか?
2時間を目安とされることが多いですが、体圧分散マットレスや皮膚の状態によって適切な間隔は異なります。
円座(ドーナツ型クッション)は使ってもいいですか?
あまりおすすめできません。円座は周囲に圧力が集中しやすく、血流を妨げる可能性があるとされています。褥瘡予防には、体圧を広く分散できるクッションを選びましょう。
赤くなったらどうすればいいですか?
まずはその部分への圧迫を避けてください。押しても赤みが消えない場合は初期褥瘡の可能性があるため、早めに医療機関や訪問看護師へ相談しましょう。
赤くなったらマッサージした方がいい?
発赤部位へのマッサージは推奨されません。
お尻だけ痛い場合も褥瘡ですか?
必ずしも褥瘡とは限りません。長時間座位による圧迫や筋肉痛の場合もありますが、赤みや熱感、皮膚の変化がある場合は早めに確認を受けることをおすすめします。
ストレッチやマッサージは褥瘡予防に効果がありますか?
直接的な予防効果を示す明確な根拠は限定的ですが、関節や筋肉の柔軟性を保つことは姿勢の崩れを防ぎ、間接的に予防へつながる場合があるとされています。皮膚に発赤がある部位への強いマッサージは避け、実施前に専門職へ確認すると安心です。
褥瘡は何日でできますか?
個人差が大きく、強い圧迫が数時間続いただけでも赤みが出ることがあります。特に感覚や血流が低下している方では、短時間でも皮膚の変化が起こりやすいとされています。
赤みが消えないのは危険ですか?
指で押しても赤みが消えない場合は、初期の褥瘡(発赤)の可能性があります。早めにその部分への圧迫を避け、医療機関や訪問看護師に相談することをおすすめします。
お風呂は入っても大丈夫ですか?
一般的には入浴自体は問題ないとされています。発赤や傷がある部位はこすらず優しく洗い、入浴後はしっかり乾燥・保湿することが大切です。傷の状態によっては、入浴方法について医療者に確認しましょう。
褥瘡は自然に治りますか?
初期の赤み(発赤)の段階であれば、圧迫を取り除くことで改善に向かう場合があります。ただし皮膚のただれや傷ができている場合は、放置すると悪化することもあるため、自己判断せず医療機関や訪問看護師に相談することをおすすめします。

⑨ まとめ

褥瘡は、一度発生すると治療に長い時間がかかるため、予防が何より重要です。予防の基本は、定期的な体位変換・除圧(体重移動)・適切なポジショニング・体圧分散クッションの活用・マットレスの見直し・スキンケア・栄養管理・離床と活動量の維持の8つです。

特に車椅子利用者では、仙骨座りを防ぐシーティングと適切な座面クッションの選択が褥瘡予防の鍵となります。

作業療法士としては、「褥瘡を防ぐ」だけでなく、利用者が安全に活動できる環境を整え、自分で姿勢を変えられる力を維持・向上させることが、最も効果的な褥瘡予防につながると考えています。ご本人・ご家族だけで抱え込まず、日々の小さな変化に気づいたときは、遠慮なく専門職に相談してみてください。

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