【FIM「食事(Eating)」の評価・採点方法を徹底解説】


この記事でわかること

  • FIM「食事」の評価範囲
  • 採点ポイント(どこを見て点数を決めるか)
  • 7〜1 点の具体的基準
  • 臨床で迷いやすいポイント
  • 作業療法・看護・介護の現場での運用のコツ
FIM とは何か?評価・採点方法を解説

FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価)は、リハビリテーション医療の現場で世界的に広く使われている ADL 評価スケールです。「どのくらい自立して生…


1. はじめに|FIM「食事」とは?

FIMの「食事(Eating)」は、セルフケア領域に含まれ、
食べ物を口に入れて咀嚼・嚥下し、飲み込むまでの一連の動作 を評価します。

これは単なる“食べる能力”だけではありません。

  • 食器の操作
  • 手先の操作
  • 誤嚥を回避する能力
  • 安全に食べ進める判断
  • 疲労度・持続性

まで、食事動作全体の自立度 を示す重要な項目です。


2. 食事の評価範囲

食事の評価は、以下の 3 工程 に分けて観察します。


① 食器・道具の使用

  • スプーン、フォーク、箸、コップ、自助具(太柄スプーン、ストローなど)
  • 食器を安定して保持できるか
  • こぼさずにすくえるか
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② 食べ物を口に運ぶ(bringing to mouth)

  • スプーンですくって口元へ運ぶ
  • コップを持って口へ傾ける
  • 誤嚥しない姿勢・速度で運べているか

③ 咀嚼・嚥下(chewing & swallowing)

  • 食べ物を適切に噛み、口腔内で形成し、嚥下できる
  • 食事形態(常食・きざみ・ミキサー・とろみ水分)への適応
  • 詰まり・むせ・誤嚥を防げているか

3. 採点の原則(重要)

FIMの1〜7点は 介助量 をもとに決めます。

特に食事では以下がポイント:


✔「配膳・下膳(セットアップ)」は評価対象外

→ 食器の準備や肉を切るなどは 5点(監視・準備) の要素。


✔ 4〜1 点は「3 工程を33%ずつ」と考える

  • ①食器操作
  • ②口へ運ぶ
  • ③嚥下
    各工程を 33%として合計100%
    どこまで自分でできているかで点数が決まる。

✔ 嚥下は自力でできる場合、「全介助」にはならない

誤嚥防止の観点から非常に重要。


4. FIM「食事」の点数基準(7〜1点)

ここからは、Rehab Cloud 構成に完全に合わせた 実務レベルの解説 をします。


◎7点(完全自立)

〈基準〉

  • 全ての食事形態で、
    • 食器操作
    • 食べ物を口に運ぶ
    • 咀嚼・嚥下
      すべて安全に、自分のペースで実施。

〈特徴〉

  • 誤嚥リスクがほぼゼロ
  • 補助具なし
  • こぼし・食べ残しが最小限
  • 疲労による中断なし


◎6点(修正自立)

〈基準〉

  • 自助具・補助具を使用するが、介助者は不要

使用例:

  • 厚柄スプーン
  • スプーンガイド
  • ストロー付きコップ
  • 滑り止めマット
  • とろみ剤
  • 嚥下食(ムース・刻みなど)

〈ポイント〉

誤嚥の危険性を 道具・環境で補正 している。


◎5点(監視・準備)

〈基準〉

  • 食事動作は 自分でできる が、
    • 誤嚥防止のための見守り
    • 始めるまで声かけ
    • 配膳や蓋開けなど「準備」が必要

〈具体例〉

  • 肉を切ってもらう
  • 箸を渡してもらう
  • 食事トレイをセットしてもらう
  • 食べこぼしそうな時に声かけが必要

◎4点(最小介助:自力75%以上)

〈基準〉

3工程のうち 1工程だけ介助が必要

例:

  • 食器は操作できるが
    → 詰まりやすいため口腔内の確認が必要
  • 食べ物を口に運ぶ動作の最後だけ手を添える
  • 嚥下前に軽く顎をサポート

「軽く触れる程度の介助」が4点。


◎3点(中等度介助:自力50〜74%)

〈基準〉

  • 2工程は自分でできる
  • 1工程に中等度介助が必要

例:

  • スプーンを持てないため、食物をすくう動作を代行
  • スプーンに乗せてもらえば、その後は自力で食べられる


◎2点(最大介助:自力25〜49%)

〈基準〉

  • 多くの工程(2工程)が介助必要
  • 食べ物を口元まで運んでもらう必要がある

例:

  • 手で食器を保持できない
  • 食材を口元まで持って来れない
  • こぼしやすく、介助者の手添えが必須

ただし
口に入ったあとの嚥下は自分でできる


◎1点(全介助)

〈基準〉

  • 自力でできる工程がほとんどない(25%未満)
  • または
    • 胃ろうで全て介助者管理
    • 誤嚥リスクが高く、食事は全面介助

典型例:

  • 口に運ぶ動作が全くできない
  • 咀嚼できず、介助者の誘導で食べさせる
  • 嚥下障害が重度

5. 臨床で迷いやすいポイント

① 誤嚥リスクがあると5点以下

見守り(監視)が必要=5点。


② 自助具を使っていても自立なら6点

「準備が必要でない」ことが重要。


③ 食事形態の調整(刻み・ムース)は6点扱い

介助者の介入がなければ6点。


④ 誤嚥予防の「姿勢調整」をしてもらう → 5点または4点

  • 姿勢を整えるだけ:5点
  • 食事中も姿勢保持のため支える:4点以下

⑤ 認知症の方の「声かけ必須」は5点

開始できない → 声かけ → 実施
は監視・準備。


6. まとめ

FIM「食事」は

  • ①食器の操作
  • ②口へ運ぶ
  • ③嚥下
    この3工程を評価し、
    介助量に応じて 7〜1点で採点 します。

臨床では、

  • 誤嚥リスク
  • 自助具の使用
  • 見守りの必要性
  • 実際にどこまで自分でしているか

を丁寧に確認することで、正確な点数付けが可能になります。

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homereha

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