FIMの「清拭(入浴)」の評価・採点方法を徹底解説【10ヶ所評価を正しく理解する】

FIM(Functional Independence Measure)の
「清拭(入浴)」は、
「どこまで身体を自分で洗えているか」を 部位ごと・割合で評価する項目です。

一見シンプルですが、

  • 評価対象部位
  • 含まれない部位
  • 「洗う・すすぐ・拭く」の扱い

を誤解すると、点数がズレやすい項目でもあります。

本記事では、公式的な考え方に沿って
清拭の評価を正確に解説します。

FIM による評価の特徴

FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価)は、リハビリテーション医療の現場で世界的に広く使われている ADL 評価スケールです。「どのくらい自立して生…


FIMにおける「清拭(入浴)」とは

■ 定義

清拭とは、
身体を洗い、すすぎ、拭いて乾かすまでの一連の動作を指します。

■ 評価方法の制限はない

以下の方法 いずれでも評価可能です。

  • 浴槽入浴
  • シャワー浴
  • スポンジ浴
  • ベッド上清拭

👉 「している方法」で評価するのがFIMの原則です。


【清拭(入浴)の評価範囲】

FIMでは、清拭を
身体を10ヶ所に分けて評価します。

■ 評価対象となる10ヶ所

  1. 胸部
  2. 右上肢
  3. 左上肢
  4. 腹部
  5. 陰部
  6. お尻
  7. 右大腿部
  8. 左大腿部
  9. 右下腿部
  10. 左下腿部

🔴 重要

  • 頭部・顔・背中は評価に含まれません
  • 10ヶ所で 1ヶ所=10% として評価します

【清拭(入浴)採点の基本ルール】

① 評価は「洗う動作」を最重視

清拭は
洗う > すすぐ > 拭く
の順で、洗う動作の比重が最も高いと考えます。

  • 洗う:自立
  • すすぐ・拭く:介助
    👉 自立として評価されることが多い

② 足先を洗っていなくても減点されない

清拭では
足先(足底・足趾)は評価対象外です。

👉 洗っていなくても、
介助がなければ減点なし


③ 準備は評価に含まれない

以下は 準備行為 として扱います。

  • シャワーの温度調整
  • 石けん・タオルの準備
  • 椅子や環境設定

👉 準備介助のみなら減点なし


【清拭(入浴)の採点方法】

清拭は、
10ヶ所のうち何ヶ所を自分で洗えているかで判断します。


【具体的な採点例】

● 例1:7ヶ所を自分で洗える

  • 自立:7ヶ所
  • 介助:3ヶ所

👉 70% → 3点


● 例2:8ヶ所洗えるが、見守りが必要

  • 自立割合:80%
  • 見守りあり

👉 5点(監視・準備)


● 例3:洗うのは8ヶ所自立、拭くのは全介助

👉 3点
(洗う動作を最重視するため)


【よくある誤解・注意点】

❌ 背中を洗えない=減点?

減点されません(評価対象外)

❌ シャワーでないと評価できない?

どの方法でもOK

❌ 拭けない=点数が下がる?

洗えていれば点数に大きく影響しない


【まとめ】清拭評価の核心

  • ✔ 清拭は 10ヶ所評価
  • 頭・背中は含まれない
  • ✔ 1ヶ所=10%
  • 「洗う」動作が最重要
  • ✔ 方法(浴槽・シャワー・清拭)は問わない
【FIM「食事(Eating)」の評価・採点方法を徹底解説】

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