収縮期血圧と拡張期血圧が上がる理由とは?~高血圧のメカニズムを徹底解説~
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✅ はじめに
血圧には「収縮期血圧(上の血圧)」と「拡張期血圧(下の血圧)」の2種類があることは、多くの方がご存知だと思います。
しかし、それぞれがなぜ上がるのか、どのような違いがあるのかは、意外と知られていません。
本記事では、それぞれの血圧が上がる仕組みや原因を、医学的な視点からわかりやすく解説します。
🩺 血圧とは何か?基礎知識をおさらい
血圧とは、心臓が血液を送り出すときに血管の壁にかかる圧力のことを指します。

- 収縮期血圧(上の血圧):心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力
- 拡張期血圧(下の血圧):心臓が拡張して血液を取り込んでいるときの圧力
この2つは、それぞれ別の生理学的な要因で上昇します。
🔺 収縮期血圧が上がる主な理由
収縮期血圧の上昇は、「心臓がどれだけ強く血液を押し出しているか」、また血管がどれだけ硬くなっているか」に大きく関係します。

🧠 原因① 動脈硬化
- 血管が硬くなると、心臓が押し出す血液に対して抵抗が増し、血圧が高くなります。
- 加齢、高脂血症、喫煙、糖尿病がリスク因子です。
❤️ 原因② 心拍出量の増加
- ストレス、運動、甲状腺機能亢進などにより心臓のポンプ機能が高まると、血液を多く送り出すため収縮期血圧が上昇します。
🫁 原因③ 交感神経の亢進
- 緊張や怒り、不安により交感神経が刺激され、血管が収縮し、心拍数や収縮力が高まります。
🔻 拡張期血圧が上がる主な理由

拡張期血圧は、心臓が休んでいるときでも血管内にどれだけ圧がかかっているかを示します。
そのため、主に**「血管の末梢抵抗」と「血管の収縮状態」**が影響します。
🧬 原因① 血管収縮(末梢血管抵抗の上昇)
- 交感神経の影響や、冷え、喫煙などによって末梢血管が収縮すると、拡張期血圧が高くなります。
🧂 原因② 塩分の過剰摂取
- ナトリウムの摂りすぎにより血液量が増え、全体の血圧が上昇します。
- 特に拡張期血圧の持続的上昇に関与します。
🧪 原因③ ホルモン異常
- アルドステロンやレニンなど、腎臓由来のホルモンが関与する二次性高血圧で、拡張期血圧が上がるケースもあります。
📊 収縮期と拡張期、それぞれの上昇が示すリスク
血圧の型 | 主な特徴 | リスク例 |
---|---|---|
収縮期高血圧(例:150/80) | 動脈硬化、加齢で起こりやすい | 脳出血、心筋梗塞 |
拡張期高血圧(例:120/100) | 若年者に多い | 腎障害、心肥大 |
📝 まとめ
- 収縮期血圧は「心臓の力」と「血管の硬さ」が主な要因
- 拡張期血圧は「血管のしなやかさ」と「末梢抵抗」が主な要因
- 生活習慣やホルモンの影響も無視できません
血圧が上がる原因を正しく理解することで、高血圧の予防や管理にもつながります。定期的な測定と、生活習慣の見直しが大切です。