高齢者の転倒リスクを減らすには?今日からできる5つの対策

はじめに

高齢者の転倒は、骨折・寝たきり・認知機能の低下など、生活の質を大きく左右する重大なリスクです。

実は、ちょっとした工夫や意識づけで、転倒の予防は可能です。

この記事では、転倒の主な原因と対策、リハビリでできる支援について解説します。

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高齢者が転倒しやすい理由

高齢者は以下のような複数の要因が重なり、転倒しやすくなります。

1. 筋力・バランス能力の低下

特に下肢筋力(太もも、ふくらはぎ)が衰えると、つまずきやすくなります。

2. 視力や聴力の低下

床の段差や障害物に気づきにくくなります。

3. 薬の副作用

降圧剤や睡眠導入剤は、ふらつきやめまいの原因になることがあります。

4. 認知機能の変化

注意力の低下や判断ミスで危険な行動をとってしまうことも。

5. 住環境の問題

段差、すべりやすい床、暗い照明などが転倒の引き金に。

今日からできる5つの転倒予防対策

1. 筋力トレーニングを取り入れる

• 毎日続けられる簡単なスクワットやつま先立ち運動が効果的

• 負担が少ないイスに座ったままの運動でもOK

2. 歩行の安定性を高める

• 杖やシルバーカーの正しい使用方法を指導

靴の見直しも大切。滑りにくく足に合った靴を選びましょう

3. 住環境の安全性を高める

• 段差にはスロープや手すりを設置

トイレや浴室には滑り止めマットや手すりを設置

• 夜間の移動には足元灯や人感センサーライトを活用

4. 服薬・健康状態を定期的に見直す

• 医師や薬剤師と相談し、薬の副作用をチェック

• 低血圧や貧血などの体調変化にも注意

5. 生活リズムと栄養の見直し

朝食をしっかり取って低血糖を防止

• ビタミンD・カルシウムを含む食事で骨の健康も守る

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リハビリ職ができる支援は?

訪問リハビリや通所リハでは、以下のような支援が可能です:

• 個々の身体機能に合わせた筋力・バランス訓練

住環境の評価と改善アドバイス

• 杖・歩行器の正しい使用方法の指導

• ご家族への見守りや声かけのコツの指導

転倒予防のためのセルフチェック

以下のようなことに1つでも当てはまれば、転倒リスクがあるかもしれません。

• 椅子から立ち上がるときにふらつく

• 何もないところでよくつまずく

• 急に立つとめまいがする

• 家の中で一人でトイレに行くのが不安

⇒ 一つでも該当する場合は、かかりつけ医やリハビリスタッフに相談を。

まとめ

転倒は、「歳だから仕方ない」ものではありません。

予防できる事故として、運動・環境・生活習慣の見直しで大きくリスクを下げられます。

高齢者ご本人だけでなく、ご家族や介護職の方々が連携して取り組むことが大切です。

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