箸ぞうくんは「ただの自助箸」じゃないー脳卒中・頸髄損傷の手指リハビリに最適な理由を作業療法士が解説ー

脳卒中による片麻痺、失調、
頸髄損傷による巧緻動作障害がある方にとって、

「箸で食べる」
という動作は、単なる食事ではなく
👉 生活の質(QOL)・自尊心・文化的アイデンティティに直結します。

その中で、多くのリハビリ現場・在宅で選ばれているのが
箸ぞうくんです。

本記事では、

  • なぜ箸ぞうくんがリハビリに向いているのか
  • どんな障害像に適しているのか
  • OTとしてどう使い分けるか

臨床目線で解説します。


箸ぞうくんとは?

箸ぞうくんは、
片手でも安定して箸操作ができるよう設計された自助箸です。

最大の特徴は
👉 「箸操作の本質を残したまま、難易度だけを下げている」点。

つまり

  • 完全な代償動作ではない
  • リハビリとして“使わせる価値”がある

自助具です。

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箸ぞうくんの構造的特徴(OT視点)

① バネによる開閉補助

  • 指を「開く」動作をバネがサポート
  • 把持はできるが、開閉が難しい人に最適

👉 脳卒中片麻痺でよくみられる
屈曲優位・伸展困難にマッチ


② 箸先のアライメントが安定

  • 失調や感覚障害があっても
    食物をつまむ成功体験を得やすい

👉 小脳性失調・感覚鈍麻のある方にも有効


③ 把持位置の自由度が高い

  • 太すぎず、細すぎない
  • 手内在筋が弱くても保持可能

👉 **頸髄損傷(C6〜C7)**レベルでも使用実績が多い


箸ぞうくんが適している障害像

脳卒中(片麻痺)

状態適合度
Brs Ⅲ〜Ⅴ
手指分離が不十分
感覚障害あり
高次脳機能障害あり○(環境設定次第)

👉 「まだ普通の箸は難しいが、スプーンには戻りたくない」
という時期に最適。


小脳性失調

  • 震え・測定異常があっても
    失敗を減らせる
  • 視覚フィードバックを得やすい

👉 食事動作を通じた協調運動訓練になる


頸髄損傷

レベル使用可能性
C6
C7
C8○(通常箸への移行検討)

👉 手関節背屈+把持を活かしやすい

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「代償」で終わらせない使い方(OTの工夫)

❌ よくあるNG

  • 永久的に箸ぞうくん固定
  • 難易度調整なし
  • 成功体験だけで満足

✅ 推奨アプローチ

  1. 初期:箸ぞうくんで成功体験
  2. 中期:把持位置・食材サイズを調整
  3. 後期:通常箸へ段階移行

👉 箸ぞうくんは
「ゴール」ではなく「ステップ」


箸ぞうくんが向かないケース

  • 重度の高次脳機能障害で誤使用リスクが高い
  • 把持そのものが困難(C5以下など)
  • 強い不随意運動がある場合

👉 その場合は
スプーン・フォーク+他の自助具を優先。


まとめ|箸ぞうくんは「ADL訓練そのもの」

  • 箸ぞうくんは
    日本の食文化 × リハビリを両立できる自助箸
  • 手指機能・協調性・感覚入力を同時に使える
  • 作業療法士が“使わせる価値のある道具”

ぜひ導入してみてください!

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