片麻痺・骨折後の方必見!正しい階段の昇り降りの方法とは?
「片方の足に力が入らない」「骨折のあと、階段が怖い…」
このようなお悩みをお持ちの方やご家族に向けて、今回は安全に階段を昇り降りするための正しい方法を、作業療法士の視点からご紹介します
なぜ階段の昇降が危険なのか?

階段の昇降は、実は日常動作の中でもバランス能力・筋力・判断力が求められる非常に高度な動作です。
特に片麻痺や骨折後で片足の筋力が低下している場合、以下のリスクが高まります:
• ふらつきやすく、転倒しやすい
• 片足をかばって不自然な動作になりやすい
• 疲れやすく、集中力が切れやすい
階段昇降の基本ルール:「上がる時は元気な足から、降りる時は弱い足から」
◉ 昇るときのコツ(登り)

「良い方の足 → 悪い方の足 → 杖や手すり」
1. まず、元気な(力の入る)足で1段上に乗る
2. 次に、弱い足(麻痺側・ケガ側)を同じ段に上げる
3. 杖を使っている場合は、最後に杖をついて体を支える
🔶ポイント:
• 手すりがある場合は、積極的に使う(できれば麻痺側の手で)
• 一段ずつ慎重に。焦らずリズムよくがコツ
◉ 降りるときのコツ(下り)

「杖や手すり → 悪い足 → 良い足」
1. まず杖を前に出す(手すりがあればしっかり握る)
2. 次に、弱い足(麻痺側・ケガ側)を1段下ろす
3. 最後に、元気な足を同じ段に下ろす
🔶ポイント:
• 降りるときは体が前傾しやすく、バランスを崩しやすいので特に注意
• 降りる前に「次の一段」をしっかり見ることで恐怖感を軽減できます
よくある間違いと対策
よくある間違い | どうなる? | 対策方法 |
弱い足から登ろうとする | バランスを崩して転倒しやすい | 必ず元気な足から登る |
杖を最後に出す(下り) | 杖が支えにならず不安定になる | 杖は「最初」に出す |
階段の途中で体をひねる | 転落の原因に | 動作中はまっすぐ前を向く |
杖・手すりの使い方も重要!

• 片麻痺の方は、杖は麻痺側にストラップなどでかけるか、持ってもらう。
• 1階用と2階用の杖を分けて置いておくのもあり。
• 手すりがある場合は、手すり>杖(可能であれば手すりを優先)
不安がある場合は「リハビリ専門職」に相談を

片麻痺や骨折など、個々の身体状況に合わせた指導が必要です。
作業療法士や理学療法士による訓練で、安全な昇降動作を習得できます。
まとめ
階段昇降は、日常生活の中でも転倒のリスクが高い動作です。
しかし、「良い足で登って、悪い足で降りる」という基本ルールを守れば、安全に行うことができます。
ご本人も、支えるご家族も、不安なく暮らすためにぜひ参考にしてみてください。
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