夜間頻尿と足のつり──意外な関係性と対策とは?

夜間に何度もトイレに起きてしまう「夜間頻尿」と、睡眠中に突然起こる「足のつり(こむら返り)」。

この2つは一見無関係に思えるかもしれませんが、実は密接な関係があることをご存じでしょうか?

今回は、この2つの症状の関係性と、日常生活でできる対策について解説します。

夜間頻尿とは?

夜間頻尿とは、夜間に1回以上排尿のために起きなければならない状態を指します。

加齢や前立腺肥大、過活動膀胱などさまざまな原因がありますが、

睡眠の質の低下や転倒リスクの増加など、日常生活にも大きな影響を及ぼします。

足のつり(こむら返り)とは?

足のつりは、筋肉が不随意にけいれんして激しい痛みを伴う状態です。

特にふくらはぎに起こることが多く、夜間や早朝に突然起きるのが特徴です。

原因としては、水分・電解質バランスの乱れ、血流不足、筋疲労などが挙げられます。

夜間頻尿と足のつり、どう関係しているの?

この2つの症状には、以下のような共通の要因が関係している可能性があります

1. 脱水・電解質バランスの乱れ

• 夜間頻尿がある人は、「夜にトイレに行きたくないから」と水分を控える傾向があります。

• その結果、体内の水分やミネラル(特にマグネシウム・カリウム・カルシウム)が不足しやすく、足のつりを引き起こすことがあります。

2. 睡眠の質の低下

• 頻繁にトイレに起きることで深い睡眠がとれず、筋肉の回復や血流改善が妨げられます。

• 結果として、筋肉が疲れやすくなり、つりやすくなるという悪循環につながります。

3. 高齢者に多い共通要因

• 加齢による筋力低下や血流不足も、夜間頻尿と足のつりの両方に関与しています。

• 特に下肢の冷えや運動不足も足のつりを引き起こす原因です。

対策と予防法

1. 水分摂取の見直し

• 夕方以降の水分摂取は控えめにしつつも、日中にしっかりと水分・電解質を摂ることが重要です。

• スポーツドリンクや経口補水液なども効果的です(糖分に注意)。

2. ふくらはぎのストレッチ・マッサージ

• 就寝前に軽いストレッチやマッサージを行うことで、血流を改善し、つりの予防になります。

3. 足元の保温

• 寝ている間に足が冷えると筋肉がこわばりやすくなるため、靴下や湯たんぽで保温すると効果的です。

4. バランスの良い食事

• カリウム(バナナ、ほうれん草)、マグネシウム(ナッツ類、豆類)、カルシウム(乳製品、小魚)を意識して摂取しましょう。

5. 生活習慣病の管理

• 高血圧や糖尿病などが背景にある場合、これらの管理も重要です。必要に応じて医療機関を受診しましょう。

適切な水分と電解質の摂取を意識しよう

高齢者は、若い世代と比べて「のどの渇き」を感じにくくなっており、気づかないうちに脱水傾向になっていることがあります。

そのため、意識的な水分摂取が重要です。

■ 水分摂取の目安

1日あたり 1,500ml(コップ約6〜8杯) を目安にしましょう。

食事からも一部水分は取れますが、それでも飲み水として1,000ml以上は必要です。

例:

時間帯目安量内容
起床後200ml白湯やお茶で体を目覚めさせる
朝食後200ml食後の水分補給
昼食後200ml食後のひと休みに
15時ごろ200mlおやつや休憩のタイミングで
夕食後100~200ml控えめに摂取(夜間頻尿対策)
就寝前必要に応じて少量(50~100ml)のどの渇きや薬の服用時



※腎臓や心臓に疾患のある方は、主治医の指示に従ってください。

■ 電解質(ナトリウム・カリウム・カルシウム)も大切です

水分だけでなく、体の調子を保つためには電解質の補給も重要です。汗や尿と一緒に失われるため、以下のような食品から補いましょう。

電解質推奨量(目安)含まれる食品例
ナトリウム約1.3g/日味噌、漬物、梅干し(摂りすぎ注意)
カリウム約2.5g/日バナナ、ほうれん草、里芋、枝豆
カルシウム約700mg/日牛乳、チーズ、しらす干し、小松菜

特にカリウムとカルシウムは、足のつり予防に関係が深いとされています。

ポイントまとめ

✅ 水分は「のどが渇く前」にこまめに摂る

✅ 夜間頻尿が気になる方は「日中に多め、夕方以降は控えめ」に

✅ 食事からの電解質も意識して摂る

✅ 高齢者の場合は周囲の声かけも大切

まとめ

夜間頻尿と足のつりは、一見別の症状に見えても、水分・電解質の乱れや睡眠の質の低下といった共通の原因が潜んでいます。

対策を講じることで、どちらの症状も軽減できる可能性があります

日常生活を見直し、快適な夜の時間を取り戻しましょう。

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homereha

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