サルコペニアとは? 〜筋肉量低下と健康への影響〜
サルコペニアとは?

サルコペニアとは、加齢や疾患に伴って筋肉量や筋力が低下する状態を指します。
「サルコ(筋肉)」+「ペニア(減少)」というギリシャ語に由来しており、特に高齢者に多く見られます。
放置すると、転倒・骨折・寝たきりといった重大なリスクにつながるため、早期発見・早期介入が重要です。
サルコペニアの原因
サルコペニアの主な原因には、以下が挙げられます。
• 加齢(自然な筋肉量の減少)
• 活動量の低下(運動不足)
• 栄養不足(特にたんぱく質・ビタミンD不足)
• 慢性疾患(糖尿病、心不全、慢性炎症性疾患など)
• ホルモンバランスの変化
サルコペニアの診断基準
診断には、筋肉量、筋力、身体機能の3つを評価します。
• 筋肉量:DXA法(骨密度測定装置)やBIA法(体組成計)で測定
• 筋力:握力測定(男性28kg未満、女性18kg未満が基準)
• 身体機能:歩行速度(1.0m/秒未満なら注意)
※日本では「日本サルコペニア・フレイル学会」の基準が広く使われています。
サルコペニア予防・改善のポイント
サルコペニアを防ぐ・改善するには、以下が大切です。
1. 運動療法
• レジスタンストレーニング(筋トレ)
→ 週2〜3回、軽い負荷から継続的に。
• バランス運動・有酸素運動
→ 転倒予防や心肺機能向上に効果的。
2. 栄養療法
• たんぱく質摂取(体重1kgあたり1.0〜1.2g目安)
• ビタミンD、カルシウムの補給も重要
3. 生活習慣の見直し
• 禁煙
• 適度な日光浴
• 睡眠の質を高める
【運動メニュー例】サルコペニア予防・改善
1. 椅子スクワット

• 背もたれのある椅子の前に立つ
• 腰を後ろに引くようにして、ゆっくり座る
• すぐ立ち上がる(立ち座りを1セットとする)
• 10回×2セット
ポイント:膝がつま先より前に出ないように!
⸻
2. カーフレイズ(かかと上げ運動)

• まっすぐ立ち、ゆっくりとかかとを上げる
• ゆっくり元に戻す
• 15回×2セット
ポイント:机や壁に手を添えて、バランスを取りながら行う!
⸻
3. サイドレッグレイズ(足の横上げ運動)

• 壁や椅子に手を添えながら片脚を横にゆっくり持ち上げる
• そのまま1秒キープしてからゆっくり下ろす
• 左右各10回×2セット
ポイント:上体が傾かないように!
⸻
これを週2~3回、無理ない範囲で続けることが理想です!
まとめ
サルコペニアは、年齢のせいだけでなく「生活習慣」や「疾患」が大きく関与する病態です。
早めに対策を取れば、筋肉量の低下を防ぎ、健康寿命を延ばすことができます。
「筋肉は裏切らない」という言葉もあるように、今日からできる小さな一歩が、将来の大きな違いにつながります。
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