【2026年版】浴室の滑り止めマットおすすめ3選|作業療法士が転倒予防の視点で徹底比較
入浴中の転倒は、高齢者の家庭内事故の中でも特に多く、骨折や頭部外傷など重大なケガにつながりやすい事故のひとつです。特に浴槽の中や洗い場は、石けんやシャンプーの泡で床が滑りやすくなるうえ、片麻痺などで片側の支持性が低下している方にとっては、立ち座りの動作そのものが大きなリスクを伴います。
この記事の結論
- 迷ったら → IRETION(コスパ・吸盤数◎)
- 浴槽内・洗い場両方で使いたい → 弘進ゴム オーバルリンク(浴槽内・洗い場兼用)
- 洗い場でのつまずき・転倒が心配 → サンコー お風呂洗い場マット(薄型・置くだけ・両面ずれにくい加工)
私は普段、福岡で「訪問型の自費リハビリ」を提供する作業療法士として、ご自宅の浴室環境を拝見する機会が多くあります。今回は、実際の入浴動作評価の視点から「浴槽・洗い場それぞれで本当に効果を発揮する滑り止めマット」を3つ厳選し、選び方から片麻痺の方の敷き方、介護保険の適用可否まで詳しく解説します。
目次
- なぜ浴室用の滑り止めマットが必要なのか
- 滑り止めマットの選び方3つのポイント
- 浴槽マットだけでは不十分なケース
- 片麻痺の場合、マットはどちら側に敷く?
- ① IRETION お風呂すべり止めマット 40×70cm(天然ゴム製)
- ② サンコー お風呂洗い場マット 薄型 両面ずれにくい加工
- ③ 弘進ゴム オーバルリンク Lサイズ(浴槽内・洗い場兼用)
- 3商品比較表(★評価付き)
- 作業療法士のおすすめ順位
- よくある質問
- 浴室の滑り止めマットは介護保険で購入できる?
- 浴槽マットの交換時期
- 浴槽マットの正しい設置方法
- 浴槽マットと浴槽手すりはどちらを優先する?
なぜ浴室用の滑り止めマットが必要なのか
入浴動作の中でも特に転倒リスクが高いのは、①浴槽をまたぐ動作、②浴槽内で立ち座りする動作、③浴槽内で体の向きを変える動作の3つです。これらはいずれも片脚での支持時間が長くなり、バランスを崩しやすいタイミングです。
🩺 作業療法士からのポイント
浴槽内は「濡れている」だけでなく「泡でぬめる」状態になるため、一般的な室内用滑り止めマットよりも高い防滑性が求められます。特に片麻痺のある方は、健側を中心に体重を支えることが多く、マットのグリップ力がそのまま転倒リスクの軽減に直結します。
浴槽用マットには、大きく分けて「浴槽の底に敷くタイプ」と「洗い場と兼用できるタイプ」があります。ご本人の身体機能や入浴スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
滑り止めマットの選び方3つのポイント
① 吸盤の数と配置
浴槽の底面にしっかり密着するかどうかは、吸盤の数と配置で決まります。吸盤が少ないと入浴中にマット自体がズレてしまい、かえって転倒リスクを高めることがあります。
② サイズと浴槽の形状との適合
浴槽の底面サイズに対してマットが小さすぎると、足を置く位置によっては滑り止め効果が得られません。事前に浴槽の内寸(幅×奥行き)を測っておくことをおすすめします。
③ お手入れのしやすさ
浴槽マットは水回りで使うため、カビや黒ずみが発生しやすいアイテムです。天然ゴム製は柔らかく足あたりが良い一方、素材によってはカビが生えやすいものもあるため、定期的に外して乾燥・洗浄できる商品を選ぶと衛生的に使い続けられます。
⚠️ 注意点
滑り止めマットはあくまで転倒リスクを「軽減」するための補助用具であり、完全に転倒を防ぐものではありません。手すりの設置や、必要に応じた見守り・介助と組み合わせて使用することが大切です。
浴槽マットだけでは不十分なケース
以下のような状態がある方は、滑り止めマットだけでは十分な安全確保ができません。
- 立位保持ができない
- 立ち上がりに介助が必要
- 浴槽をまたげない
- 認知症などで安全確認が難しい
このような場合は、マット単体ではなく以下のような福祉用具を組み合わせることをおすすめします。
- 浴槽用手すり
- 浴槽台(バスボード)
- シャワーチェア
⚠️ 注意点
「マットさえあれば安全」という考え方は危険です。動作能力の低下がある場合は、担当のケアマネジャーやリハビリ専門職に相談し、福祉用具全体で入浴環境を見直すことをおすすめします。
片麻痺の場合、マットはどちら側に敷く?
片麻痺のある方の場合、浴槽へ入る際に体重を支える「支持脚」となる側(多くは健側)に、しっかり足底が接地できるようマットの位置を調整することが重要です。
たとえば右片麻痺の方であれば、左足(健側)が支持脚になることが多く、浴槽をまたぐ際に体重が乗るのはこの左足です。マットは浴槽の中央ではなく、実際に左足が着地する位置に合わせて敷くことで、支持脚がしっかり滑り止めの上に乗り、より安定した動作につながります。
🩺 作業療法士からのポイント
浴槽の中央だけにマットを敷いていても、実際にまたぐ際の接地位置とズレていれば意味がありません。実際にまたぐ動作を観察し、足底が着地する位置に合わせてマットを調整することが、他の情報サイトではあまり語られない実践的なポイントです。
① IRETION お風呂すべり止めマット 40×70cm(天然ゴム製)
結論:吸盤が多く密着力が高いため、浴槽の底にしっかり固定したい方に最もおすすめできる一枚です。天然ゴム製で柔らかく、正座や膝立ちで体を洗う際にもクッション性があります。
ベージュ系のやわらかい色合いで浴室にも馴染みやすく、40×70cmと標準的な浴槽の底面をしっかりカバーできるサイズです。吸盤付きで、入浴中に体重をかけてもズレにくい設計になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | Amazonで確認 ※参考価格 ¥1,428(税込)/価格は変動します |
| サイズ | 40×70cm |
| 素材 | 天然ゴム |
| 固定方法 | 吸盤式 |
| 適した方 | 浴槽サイズが標準的で、コストを抑えつつしっかり固定したい方 |
デメリット
- 開封直後はゴム特有のにおいが気になる場合がある
- 天然ゴム製のため、使用後はしっかり乾燥させないとカビの原因になりやすい
- 浴槽のサイズや形状によっては端まで覆いきれない場合がある
- 吸盤をしっかり押さえて密着させないと、浮きが残ることがある
② サンコー お風呂洗い場マット 薄型 両面ずれにくい加工 60×90cm(AF-09)
結論:浴槽の中ではなく「洗い場の床」に置くタイプのマットです。薄型で置くだけの手軽さがありながら、両面がずれにくい加工になっているため、洗い場での滑り・引っかかり・つまずきによる転倒予防に適しています。ドアの開閉や扉との干渉が少なく、脱衣所との段差に近い場所でも使いやすいのが特徴です。
60×90cmとサイズが大きめで、洗い場全体をカバーしやすい点も特徴です。薄型設計のため、立ち座りの際につまずきにくく、足裏に伝わる床の冷たさも軽減されます。吸盤式ではなく両面ずれにくい加工のため、浴槽内ではなく洗い場・脱衣所寄りの床に置いて使うタイプです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | Amazonで確認 ※参考価格 ¥4,840(税込)/価格は変動します |
| サイズ | 60×90cm |
| カラー | ピンク |
| 固定方法 | 両面ずれにくい加工(置くだけ) |
| 特徴 | 薄型、つまずき予防、床の冷たさ軽減 |
| 適した方 | 洗い場でのつまずき・転倒が心配な方、床の冷たさが気になる方 |
デメリット
- 吸盤式ではないため、浴槽内での使用には向かない
- 3商品の中では価格が最も高め
- 厚みがない分、床の凹凸や段差にはフィットしにくい場合がある
- 置くだけタイプのため、経年でめくれ・端の浮きが出ることがある
③ 弘進ゴム オーバルリンク Lサイズ(浴槽内・洗い場兼用)
結論:浴槽内だけでなく洗い場でも使える兼用タイプ。価格は3商品の中で最も高めですが、1枚で浴室全体の防滑対策をカバーしたい方や、耐久性を重視する方におすすめです。
楕円形のリンクが連続したデザインで、水はけがよく乾きやすいのが特徴です。38×70cmとやや幅は狭めですが、浴槽内・洗い場兼用として使えるため、洗い場でも滑りやすさが気になる方には特に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | Amazonで確認 ※参考価格 ¥4,400(税込)/価格は変動します |
| サイズ | 38×70cm |
| カラー | ライトグリーン |
| 特徴 | 浴槽内・洗い場兼用、水はけの良い形状 |
| 適した方 | 洗い場も含めて浴室全体の防滑対策をしたい方 |
デメリット
- ゴム製で厚みがあるため、他の2商品と比べてやや重い
- IRETIONと比べると価格が高め
- 38×70cmとやや幅が狭く、大きめの浴槽では端まで覆いきれない場合がある
- 浴槽の材質や形状によっては、ズレやすさを感じる場合がある
3商品比較表(★評価付き)
| 商品名 | 価格 | サイズ | 防滑性 | 掃除のしやすさ | コスパ |
|---|---|---|---|---|---|
| ① IRETION | Amazonで確認 | 40×70cm | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| ② サンコー 洗い場マット | Amazonで確認 | 60×90cm | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| ③ オーバルリンク | Amazonで確認 | 38×70cm | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
※価格はAmazonの販売状況により変動します。最新価格は各商品ページでご確認ください。
作業療法士のおすすめ順位
🥇 第1位:IRETION
おすすめ理由
- 吸盤の数が多く、密着力が高い
- 天然ゴム製で足あたりが良く滑りにくい
- 3商品の中で価格が最も手頃
- 標準的な浴槽サイズであれば、ほとんどのご家庭で使える
総合評価:★★★★★
🥈 第2位:弘進ゴム オーバルリンク
おすすめ理由
- 浴槽内・洗い場のどちらにも使える兼用タイプ
- 水はけが良く、乾きやすい形状
- 1枚で浴室全体の防滑対策をカバーできる
- 耐久性を重視したい方に向いている
総合評価:★★★★☆
🥉 第3位:サンコー お風呂洗い場マット
おすすめ理由
- 薄型で置くだけの手軽さがある
- 両面ずれにくい加工で洗い場でもしっかり留まる
- 足裏に伝わる床の冷たさを軽減できる
- 浴槽内ではなく洗い場のつまずき対策に特化している
総合評価:★★★★☆
よくある質問
Q. 滑り止めマットだけで転倒は防げますか?
A. マットは転倒リスクを軽減する補助用具であり、単体で完全に防げるものではありません。手すりの設置や、必要に応じた家族の見守り・介助と組み合わせることが大切です。
Q. マットのお手入れ頻度はどのくらいが目安ですか?
A. 週に1回程度は取り外して、裏面までしっかり洗浄・乾燥させることをおすすめします。ぬめりやカビが発生すると、かえって滑りやすくなる場合があります。
Q. 吸盤が付かない浴槽はありますか?
A. 人工大理石や表面がザラザラした浴槽では、吸盤が密着しにくい場合があります。購入前に浴槽の材質を確認しておくと安心です。
Q. 洗い場にも使えますか?
A. 商品によります。①IRETIONは浴槽内での使用を想定した吸盤式マットです。②サンコーは洗い場の床に置くタイプ、③弘進ゴム オーバルリンクは浴槽内・洗い場のどちらにも使える兼用タイプです。設置したい場所に合わせて選ぶとよいでしょう。
Q. 吸盤は毎回外した方がいいですか?
A. はい。貼りっぱなしにすると、マットと浴槽の間に水分がこもり、カビや吸盤自体の劣化の原因になります。入浴後はマットを外して両面をしっかり乾かす習慣をつけることをおすすめします。
Q. 浴槽マットはカットできますか?
A. 商品によります。カットすることで吸盤の位置がずれたり、防滑性能が低下したりする場合もあるため、加工を検討する際はメーカーの説明書を確認してください。
Q. マットは何年くらい使えますか?
A. 使用頻度にもよりますが、吸盤の劣化や表面のゴムの硬化・ひび割れが見られたら交換のサインです。目安として1〜2年程度で状態を確認することをおすすめします。
Q. 訪問リハビリでも浴室環境の相談はできますか?
A. はい。当施設(Home Reha 福岡)では訪問型の自費リハビリの中で、実際のご自宅の浴室環境を拝見しながら、動作に合わせた福祉用具の選定についてもご相談いただけます。
浴室の滑り止めマットは介護保険で購入できる?
介護保険の「特定福祉用具販売」の対象となる入浴関連用具には、浴槽用手すり、入浴台(バスボード)、浴槽内椅子などが含まれます。一般的な滑り止めマットは介護保険の購入対象外であることが多いですが、製品によっては入浴補助用具として扱われるものもあります。購入前にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認することをおすすめします。
浴槽マットの交換時期
以下のようなサインが見られたら、マットの交換を検討するタイミングです。
- 吸盤の吸着力が弱くなり、すぐにズレるようになった
- 表面のゴムが硬化し、ひび割れが見られる
- 洗浄してもぬめりやカビが取れなくなった
浴槽マットの正しい設置方法
- 浴槽と吸盤の両方の水分をしっかり拭き取る、または軽く濡らして密着させる
- 実際にまたぐ・立ち座りする動作を想定し、足底が接地する位置に合わせて敷く
- 四隅・中央の吸盤を上から押さえ、浮きがないか確認する
- 設置後は実際に体重をかけてズレがないか確認してから使用する
なお、サンコーのマットのように吸盤ではなく両面ずれにくい加工のタイプは、床面の水分をしっかり拭き取ってから置くことで密着力が高まります。
作業療法士から一言
滑り止めマットは「滑らないこと」だけでなく、実際に足を着く位置にしっかり設置することが重要です。どんなに性能が高いマットでも、足が乗らなければ転倒予防効果は十分に発揮されません。
浴槽マットと浴槽手すりはどちらを優先する?
立位保持や立ち上がりに不安がある方の場合は、マットよりも先に浴槽用手すりの設置を優先することをおすすめします。マットは「滑りにくくする」ための対策であるのに対し、手すりは「体を支える」ための対策であり、役割が異なります。理想的には、手すりで支持を確保したうえで、マットで足底のグリップ力を高めるという組み合わせが、最も転倒リスクを下げやすい構成です。







